出版社内容情報
現地を訪れ、現物に触れ、現場の人と議論する。「3現」をモットーに半世紀、著者は全国さまざまな技術の現場を訪ね歩いてきた。たたら製鉄、津波災害の跡など、失敗学の源流をたどるハタムラ版「街道をゆく」である。
内容説明
「現地」を訪ね、「現物」に触り、「現場」の人と議論する。この「3現」をモットーに半世紀、著者は全国のさまざまな生産現場を訪ね歩いてきた。技術力は高いにもかかわらず、苦境に立たされる日本の技術。八方ふさがりの状況に活路を見出し、生き残る道をさぐる、ハタムラ版「街道をゆく」である。
目次
第1章 鉄の道をゆく
第2章 たたらの里をゆく
第3章 津波の跡をゆく
第4章 ミクロの世界をのぞきに行く
第5章 技術の系譜をたどる
第6章 道なき道をゆく
付録 考えを作る―思考展開法とは何か
著者等紹介
畑村洋太郎[ハタムラヨウタロウ]
1941年生まれ。畑村創造工学研究所代表、東京大学名誉教授。専門は創造学、失敗学・危険学、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学、医学支援工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あすなろ
76
失敗学で有名な畑村先生が書かれた本である。脱線するが、この失敗学というのは、とてもセンセーショナルな概念であったのだ。さて、本書である。率直に言うととても面白かった。また畑村先生の広い好奇心旺盛な心が凄いと思った。先生が書かれているが、今目の前にある物を見て、時間軸を逆に辿り、どのようにして作られたのか・どんなことが起きたのかの推察から立体図を思い浮かべるのである、とのこと。これが原動力なのだろう。内容は面白かったし示唆に富んでいたし、知識も増えたが、1番本書で勉強になったのは実はそこであった。2018/02/08
vinlandmbit
36
図書館本。巻末の思考展開法含め何か不思議な暖かさを感じる技術紀行的一冊。追って購入して手元に置いておきたいと感じました。2022/04/04
おさむ
32
失敗学で知られる畑村さんの技術紀行文。製鉄や津波防災、回転ドアなどさまざまな技術の現場を見て物事の本質をとらえようとする。ホンダがベトナムでイミテーションを抱え込むという戦略をとった話が印象的。品質に自信があればこうした戦略が成功するのでしょう。ただ、いまは世界市場における日本のメーカーの地位ば低下する一方でもはや難しくなっているように思います。販売後のサービスに力を入れるバックローディングから、製品の構想と企画が利益の源泉となるフロントローディングの時代に変わった、との説明が最も説得力がありました。2019/09/26
Tenouji
13
「日本の技術力は素晴らしい」と語られる時の、日本の技術の実態と歴史を知るには良い本である。昭和技術史のひとつのまとめなんだろうな。2018/10/31
しんこい
11
司馬氏の名作にあやからんとする意志は買うが、あまり紀行の要素はなく、作者の知見が語られる感じで、過去といきつもどりつ考察を深める手法にも乏しいし、現在に対する歴史や地理の影響に代わる技術の影響という要素もあまり感じられず、ちょっと残念2018/03/29
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