内容説明
病と闘いながら、短い一生で文学革新をなしとげた正岡子規。畏友夏目漱石には「僕ハモーダメニナツテシマツタ」と弱音をはき、人生行路定まらぬ高浜虚子には「貴兄ニ半椀ノ飯ヲ分タン」と激励する―著作・書簡を読み解きながら彼の人間的魅力を紹介し、そのことばのなかに、私たちが今を生きるヒントを見いだす。
目次
泣―生きているから、弱音もはく
希―病んでいるから、望みをもつ
友―知己には厚く、熱く
笑―苦しいからこそ、ユーモアを
識―本質を見通し、突く
独―俗を離れて、ひとりゆく
親―家族、故郷を思う
進―ひたむきに、道を
著者等紹介
復本一郎[フクモトイチロウ]
1943年愛媛県宇和島市生まれ。1972年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了(文学博士)。専攻は近世・近代俳論史。静岡大学教授、神奈川大学教授を経て、神奈川大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@猫と共に生きる
80
俳聖正岡子規先生の文章が難しく、読むのに時間がかかったが本当に読んで良かった。時系列に並んでないのでそれだけが残念。病に冒されながらもユーモアと学を忘れなかった子規。現代に生きていたら国費留学生になれたのは間違いない。それでも自分はまだ足りないと謙遜される。爪の垢を煎じて飲みたい私。新制大学卒では何ともならないこの教養の浅さが憎い😢夏目漱石先生も人生に悩みに悩み日々成長しておられた。鴎外との交流も素晴らしい。明治の人達は凄すぎて頭が高い!と言われても仕方ない自分。再読したい本。2023/01/07
nnnともろー
6
凄絶な闘病生活の中にユーモアを忘れなかった子規。手元に置いておいて読み返したい言葉の数々。2017/10/19
本命@ふまにたす
3
正岡子規の書いたものから、テーマごとにいくつかの文章の断片をピックアップし、それぞれ解説を加える。やはり、子規本人の文章も(断片的にではあるが)読めるのが魅力。2023/01/15
shouyi.
3
この書は子規の随筆、手紙の中から特に子規の人柄・考えがよく分かる部分を集めたものである。子規は死病にかかり時に重大な痛みを感じながら筆をとっていた。起き上がることもできなくなっても書いた。そして人を愛した。2018/03/25
Motonori Sota
1
若くして闘病生活に入りながら、俳句革新を目指したくさんの仕事を成し遂げたと思う。ほぼ常に病床で、その語りや手紙には悲痛なものもあるけど時にはユーモアもあり、金がないなど現実的な訴えも弟子への教育もあり。 病人ながら、意外とかなり大食い。 2021/09/22