内容説明
おしゃべりな人、無口な人…。ただの個性と思われがちなものの言い方にも、実は意外な地域差があった!さまざまな最先端の研究成果を用い徹底分析。「ありがとう」と言う地域・言わない地域など、具体的なデータをもとに、ものの言い方の地域差と、それを生み出す社会的背景を明らかにする。目からウロコ、新しい方言論の誕生!
目次
ものの言い方にも地域差がある
口に出すか出さないか
決まった言い方をするかしないか
細かく言い分けるかどうか
間接的に言うか直接的に言うか
客観的に話すか主観的に話すか
言葉で相手を気遣うかどうか
会話を作るか作らないか
ものの言い方の発想法
発想法の背景を読み解く
発想法はどのように生まれ、発達するか
ものの言い方を見る目
著者等紹介
小林隆[コバヤシタカシ] 
1957年新潟県生まれ。1983年東北大学大学院文学研究科博士課程退学。博士(文学)。国立国語研究所研究員を経て、東北大学大学院文学研究科教授
澤村美幸[サワムラミユキ] 
1980年山形県生まれ。2010年東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、和歌山大学教育学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
291
          
            これも方言学なのだが、一般に方言というときにイメージする語彙の違いではなく、「言い方」の違いに着目したもの。語彙は誰にでもすぐにわかるが、こうした言い方はそれに地域差があることには気が付きにくい。例えば、東日本大震災の後、関東や、まして関西から被災地に行ったボランティアの人たちには、そうした違いから戸惑いがあったようだ。具体的には、挨拶行動などに現れるようだ。印象的には、東北地方の人たちの言葉がぶっきらぼうに感じられるということである。また、冠婚葬祭(ことに不祝儀の場合)の言葉の遣り取りも例に上がって⇒2025/10/25
          
        けんとまん1007
31
          
            読みながら「そうそう、そうだった・・」と感じることもたくさん。県外で生活したこともあるので、その時のことなどが蘇ってきた。県民性ということがよく言われるが、それとも関連性があるんだろう。決して、いい悪いではなくて、あくまで違いということ。でも、こうやってみると、改めて日本という国の広さを感じてしまう。時代とともに移り変わりもあるだろうし、もしかすると、今後はますます違いが薄くなっていくのかもしれないと思った。それはそれで少し寂しいことかも。2014/11/25
          
        tomi
30
          
            普通、方言というと地域独特の言葉遣いの事等を指す事が多いが、ものの言い方による方言をデータを基に分析した論考。「おはよう」「ありがとう」と言わない地域、婉曲的な言い回しをする地域と直接的な地域、敬語表現の格差等々、調査からはっきりと地域差が見えてくる。 西日本と東日本、特に大阪弁と東北弁は対極にあるようだ。例えば店から出るときに「ありがとう」と言う人が西日本、特に関西では大多数とは驚き。関東人の私は聞いた事がない。→2015/03/23
          
        太田青磁
30
          
            沈黙が気になるというのは、逆に言えば沈黙を避けたいということでもある・おまえ、なめとったらいわすぞ・東北はオノマトペによる直接的な描写が盛ん・よう言わんわの場合には、話し手は聞き手が属する現場を抜け出して、そこで起きている事態を外から論評する感じになる・何かを頼むときに悪いという言葉を口にしたら、その人は東日本の出身者と考えてよい・相手に合わせて話を盛り上げるという話し方が、近畿では非常に発達している・ものの言い方には地域差が存在する。そのことに気が付けば、無用のコミュニケーション摩擦は避けることができる2014/09/23
          
        katsubek
25
          
            学術的と言うには、少々「思い」が入りすぎているかも知れない。でも、内容は楽しい。特に「気遣い」という視点が面白い。でも、こんなにも地域による違いがあるというのは驚き。いやぁ、日本って、狭くて広いトコロなんだねぇ!2014/09/27
          
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