出版社内容情報
世界は何からできているのか? 人間の手でまったく新しい物質をつくることはできるのか? 化学者たちの奮闘と発見の物語を通じて、化学の考え方が理解できる。元素から超分子まで無限に広がる物質世界の探検記。
内容説明
世界は何からできているのか?人間の手でまったく新しい物質をつくることはできるのか?化学者たちの奮闘と発見の物語を通じて、化学の考え方が理解できる。革命の断頭台の露と消えたラヴォアジエ、フグ毒を解明した日本の化学者たち、失敗が生んだノーベル賞など、無限に広がる物質世界の探険記。
目次
序章 物質は原子からできている
第1章 物質世界の役者たち―元素と原子
第2章 電気と化学の切っても切れない関係
第3章 どんな分子でもつくれるのか?
第4章 起こらない反応を起こさせる
第5章 大きいことはいいことだ―高分子の時代
第6章 物質を診察する
第7章 鏡の国の分子
終章 21世紀の化学
著者等紹介
竹内敬人[タケウチヨシト]
1934年東京生まれ。1960年東京大学教養学部教養学科卒業。理学博士。東京大学名誉教授、神奈川大学名誉教授。専攻は有機化学、化学教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
96
科学の中でも私のとくに苦手とする化学ですが、化学を研究してきた人物を主体として化学を説明してくれているので比較的読みやすさが感じられました。それでも有機化学の分子構造には拒否感があってそこら辺は理解できずに読み飛ばしてしまいました。でも最近は有機化学のほうが生命科学と並んで最先端科学なのですね。ブルーバックスでもじっくり読み直しましょうかね。2016/01/02
白義
10
化学の概略を語りつつ、それに関連する人物の略歴を付け加えるスタイルで送る化学の入門書。時代順ではなくテーマに沿った編集で興味深いエピソード、勉強したい箇所からそれを研究した科学者も一緒に学べるお得な本。五章「高分子の時代」三章「電気と化学の切っても切れない関係」などが面白い。哲学者のタレスやパスカル、物理学者も化学関連の業績を中心に紹介され、相当幅広くフォローされている。あとがきの化学史推薦も優れた代物だ2013/04/21
ちー
5
仕事のために化学系の知識を得たいなーと思って手に取った一冊。分野ごとに人物【生い立ちや交流関係、研究分野や受賞した賞など】の説明が載っており、化学者の横の繋がりも知ることができて興味深かった。この科学が飛躍的に発達した時代、科学者達の分野を越えた繋がりや研究がすごい。真空を作ろうと思った研究者が実験途中に別の法則を見つけてノーベル賞取ったり、物理学者が化学的大発見をしたり。今の科学は余りにも細分化してしまったけど、繋がりの中や研究の途中で発見が見つかるのなら、今に立たないからって切り捨てられたくないなぁ。2012/06/14
Hiroshi
4
テーマ別の化学史の本。化学とは人類に必要な化合物をつくるもの。化学反応式が書けることと、その反応がおこることは全く別の話。そのため化合物の構造を理解し、何段階も化学反応をおこさせて目的物を生成していく。そこでは反応に関与するが目的物ではない物質をリサイクルしたり、副生物を最小限に抑えるなど地球環境に優しいことも求められる。19世紀、食糧危機の恐れから、化学肥料のもととなるアンモニア合成を要求されていた。最終的に、「ものの巨視的な性質は、ものを構成する分子の微視的な構造によって決まる」ことを知って欲しいと。2016/01/31
かつお
4
化学がどのような過程で進んで行ったのか、その素晴らしさを改めて教えてれた本。化学全般の知識も身につくであろう。気軽に読めると思ったが(自分が化学を専攻してるので)、案外そうでないから何度か読むべきだろう2015/01/08