出版社内容情報
◇ 解 説 ◇
従来のラカンの解説書は、ラカン理論として有名になった「鏡像段階」「無意識の言語構造」「対象a」などのテーマのどれかひとつを中心に扱うものがほとんどであった。その中で本書はラカンの理論的展開を、ラカンがまだフロイトを完全に受け入れていなかった1930年段階から取りあげ、その後、フロイトのすべてのテキストの読み直しによって、フロイトの理論を全体的に受容する過程を経て、最終的に後期の結び目の理論にいたるまでのラカンの考えを一本の筋の通った一貫性をもったものとして考察しようとする。
◇ 目 次 ◇
第1部 フロイトの影
1 二人でいることの苦しみ
2 わが親愛なる同類、わが鏡
3 パラノイア的認識
第2部 フロイトへの回帰
4 ラカン的「もの」
5 サンボリックにおける網羅
6 アクティング・アウトの一ケースの構築
第3部 転移
7 場所の変更
8 倫理的問題
9 愛の隠喩
第4部 レエルの方へ
10 デカルト的方法
11 文学的操作
12 欲動に懸かっていること
第5部 もう一つのイマジネール
13 イマジネールのなかの穴
14 三重の穴の想像
15 コンシスタンスのイマジネール
結論 鏡に適用された精神分析家
◇ 著 者 ◇
Philippe Julien|パリの精神分析家
内容説明
従来のラカンの解説書は、ラカン理論として有名になった「鏡像段階」「無意識の言語構造」「対象α」などのテーマのどれかひとつを中心に扱うものがほとんどであった。そのなかで本書はラカンの理論的展開を、ラカンがまだフロイトを完全に受け入れていなかった一九三〇年代から取りあげ、そののちフロイトのすべてのテキストを読み直して、フロイトの理論を全体的に受容する過程を経て、最終的に後期の結び目の理論に至ったラカンの考えを一本の筋の通った一貫性をもったものとして考察しようとする。
目次
第1部 フロイトの影(二人でいることの苦しみ;わが親愛なる同類、わが鏡 ほか)
第2部 フロイトへの回帰(ラカン的「もの」;サンボリックにおける網羅 ほか)
第3部 転移(場所の変更;倫理的問題 ほか)
第4部 レエルの方へ(デカルト的方法;文字的操作 ほか)
第5部 もう一つのイマジネール(イマジネールのなかの穴;三重の穴の想像 ほか)
著者等紹介
向井雅明[ムカイマサアキ]
1948年香川県に生まれる。1990年パリ第八大学精神分析学科DEA課程修了。現在、精神分析家、専修大学兼任講師
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