岩波新書
清水次郎長―幕末維新と博徒の世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 237p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004312291
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0221

出版社内容情報

「海道一の侠客」と謳われた清水次郎長。維新期のアウトローを語るに、この男を措いて他はない。血で血を洗う幕末の世。並み居る宿敵との死闘を乗り越え、しぶとく生き抜いた、無頼の武闘派のしたたかな生き様を描く。

内容説明

「海道一の親分」を謳われた清水次郎長を措いて幕末維新のアウトローを語るに他はない。本書は歴史学の手法を駆使して、血で血を洗う並み居る強敵たちとの死闘を勝ち抜き、時代の風を読んでしぶとく生き残った稀代の博徒の実像に迫る。巷間知られる美談仁侠の虚像からは異質な無頼の武闘派のしたたかな生き様が浮かび上がってくる。

目次

第1章 博徒清水次郎長の誕生(清水港の次郎長;三河の次郎長)
第2章 清水一家の親分次郎長(嘉永游侠列伝;次郎長激動の三年;次郎長一家の形成)
第3章 清水次郎長と黒駒勝蔵(黒駒勝蔵との対決の構図;黒駒勝蔵との血戦;尊皇倒幕の黒駒勝蔵と左幕の清水次郎長)
第4章 明治維新の明暗(戊辰戦争と博徒の命運;清水次郎長と黒駒勝蔵の明暗)
第5章 大侠清水次郎長(維新の揺れ戻し;山岡鉄舟との邂逅と次郎長の「改心」;博徒大刈り込みと次郎長)

著者等紹介

高橋敏[タカハシサトシ]
1940年静岡県に生れる。1963年東京教育大学文学部卒業。国立歴史民俗博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

81
清水次郎長の生涯を克明に調べて書いたもので、今までのイメージが一変しました。結構したたかに生きていたように感じます。黒駒の勝蔵との対決がかなり長きにわたって行われたものの勝蔵は処刑されてしまいます。尊王攘夷派なのに。逆に佐幕派であった清水次郎長が息をながらえます。一筋縄ではいかないしたたかさがあったような感じです。2015/08/20

姉勤

23
博徒や侠客というアウトローは非常時は歓迎され、安定時には忌み嫌われる。清水次郎長が生きた幕末〜明治期と戦後がリンクする。 敗戦直後、不逞三国人の暴虐から、無力な警察に代わり、身を呈して治安を維持したアウトローたちも、世の中が安定すれば法により人権と存在を抹殺される立場に変わってしまった。 幕末の志士といえば聞こえはいいが、太平の世に浸かっていた役人然たる武士たちが使える訳もなく、主体は多くは出入りで実戦を積んでいたアウトローたちだったのだろう、彼らも明治期に検挙・処刑されていく。 今と未来はどうだろう。2013/04/07

GaGa

17
昔見た映画や謡曲でしか知らなかった清水次郎長の生涯をまとめた作品。正直もう少し、家来である森の石松や、大政、小政などの人物像も掘り下げてくれているものと思っていたが残念ながらあまりなかった(資料としてあまり残っていないのか)しかし侠客としてこれほどまでに幸せな人生をおくれた人も稀なのであろうなあ。2010/08/19

isao_key

10
天田愚庵の『東海遊侠伝』を参考にして清水次郎長の実像を明らかにしようとする意欲作。次郎長は講談や浪曲でよく取り上げられる人物だが、任侠の世界にいたためか、信用に値する実在する資料が極めて少ない。愚庵は次郎長と一度は親子の養子縁組をし、最も近いところで次郎長を見ていた。後年愚庵は山岡鉄舟の紹介で有栖川宮家へ就職することが決まる。博徒の子では体裁が悪いため、養子縁組を解消するが、賭博犯の科で実刑が出されていた次郎長の釈放を手助けするために書かれたのが、この本である。本文中の山岡鉄舟との友情も損得なく清清しい。2013/10/14

カール

8
「幕末の動乱から明治初期にかけて名を馳せた大親分・清水次郎長!」っと力を入れて解説したかったが、実はあまり時代劇には馴染みの薄い世代。まだ『水戸黄門』や『鬼平犯科帳』みたいなビックタイトルならいざ知らず、正直「清水次郎長」と言われても実はあまりピーンとこない。とはいえ、かつては大衆に人気があった任侠人。本音と建前。実益と道義の狭間で切った張ったをしてきた男をあえて学術的視点で調査する。という試みは、その職業上資料が残りにくい動乱期のアウトロー達の実像を調べる。という視点からも大変興味深いものがある。2020/06/10

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