内容説明
誕生して一二〇年、国家の枠を超えようとする「危険な言語」、正統派言語学者たちにとっては「異端の言語」―国際共用語・エスペラントのたどった道のりは劇的で険しいものだった。この言語の構造と特性、受容と反発の歴史の生き生きとした紹介から、「言語は人類にとっていかなる意味をもつか」という根本問題が呈示される。
目次
第1章 人間は言語を批判してはならない―それは神のつくりたもうたものだから(ことばは神がつくった;ヘルダーが言語神授説をしりぞける ほか)
第2章 エスペラントはどんな言語か―その簡単なスケッチ(文字と発音;文法 ほか)
第3章 エスペラントの批判者・批判言語(民族語は批判できないし、してはならない;計画言語は批判できる ほか)
第4章 アジアのエスペラント(アジアでこそ希望の言語;日本への普及 ほか)
終章 ことばを人間の手に!(エスペラント誕生の時代;言語学者のエスペラントぎらい ほか)
著者等紹介
田中克彦[タナカカツヒコ]
1934年兵庫県に生まれる。1963年一橋大学大学院社会学研究科修了。一橋大学名誉教授。専攻は言語学、モンゴル学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。