内容説明
日本社会を揺るがした耐震強度偽装問題。事件の背景を探ってゆくと、極限まで進められた建築法制の規制緩和が浮かび上がってくる。それはまた、住宅地に高層マンションを入り込ませ、各地で住環境の破壊を引き起こしている。問題の根は何なのか。建築紛争の現場取材を通して、政官財そして司法が私たちの生活を脅かす構図を描き出す。
目次
第1章 日本が危ない―耐震強度偽装問題の構図
第2章 数の偽装―住宅地にそびえ立つ高層マンション
第3章 「官から民へ」の落とし穴―建築法制の崩壊
第4章 プレーヤーたち―政官財、マスメディア、そして米国
第5章 裁かれる裁判官―「良心」を忘れた司法
第6章 美しいまちへ―問われる市民
著者等紹介
五十嵐敬喜[イガラシタカヨシ]
1944年山形に生まれる。1966年早稲田大学法学部卒業。法政大学教授・弁護士
小川明雄[オガワアキオ]
1938年東京に生まれる。1961年東京学芸大学英語科卒業。AP通信社、朝日新聞社を経て現在、ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2022/12/05
ホレイシア
2
仕事でかかわった事例が載っているので、つい。
ひ※ろ
1
★★★☆☆2017/08/12
リョウ
1
建築紛争について、住民に近い立場の著者が書いたもの。我々にとって一番身近で生命を守ってくれるはずの住宅の安全が、金儲けのために骨抜きにされているさまが伝わってくる。2010/07/31
bittersweet symphony
0
耐震偽装問題を足がかりにして、おもに現在の建築行政・法体系の欺瞞・不備を告発している本です。どんな分野でもそうですが、時代に即した細かいマイナーチェンジをその都度やってきたおかげで、非常にややこしい外見を取らざるを得なくなってしまっているが、すべてリセットするわけにも行かなくて混乱しているジャンルの代表が建築と経済学という感じがあります。社会へのコミットの仕方が根本的に異なるので、単純に海外の制度を礼賛するだけでは何の解決にもならないですが、なかなか難しいところですね。2006/12/17
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- 和書
- バナナの経済学 玉川選書