出版社内容情報
世界最大の虎シベリアトラを雪原に追う猟師たち,ヒグマの群れ集うカムチャツカの雄大な自然,そして北極海の孤島での白クマとセイウチの凄絶な戦い…シベリアの大地に息づく生命を第一人者がとらえた迫力満点の写真集.
内容説明
世界最大の虎、シベリアトラを雪原に追う猟師たち、今や希少となったアムールヒョウの優美な姿、ヒグマの群れ集うカムチャッカの雄大な自然、マイナス60度のヤクートに生きる野鳥や馬たち、そして北極海の孤島でのホッキョクグマとセイウチの凄絶な戦い…シベリアの大地に息づく生命を第一人者がとらえた迫力満点の写真集。
目次
1 タイガにシベリアトラを追う
2 海獣王国―千島列島とサハリン
3 ヒグマ王国―カムチャッカ
4 冬鳥の故郷―ヤクート(サハ共和国)
5 ホッキョクグマのハンティング―ヴランゲリ島
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
172
シベリアは近く、身近な場所に感じてほしいと、カメラマンがペンを執った本書。…シベリアトラは「タイガの神」トラは正しき者は襲わない。ヒグマ、ラッコ、アカジカ、リス、アクートウマ、アムールヒョウ。美しい写真の数々。千島富士、ウシシル島の火山、クラーテル湾は圧巻美。そこには本来の地球、壊されなかった景色が広がっている。ロシア語には、北方の自然に魅了されて離れられなくなってしまうという意味の「セヴェルナヤ・バレズニ(北の病)」という言葉があるそう。筆者も罹った模様。…人類に残された大自然が生きる、魅惑のシベリア。2019/03/03
新地学@児童書病発動中
108
心が洗われる一冊。美しい写真が多数収録されていて、それを眺めるだけでも楽しい。極寒の朝にレナ川の中州に放たれるヤクトームウマの写真などは息を飲む美しさだ。シベリアの厳しい自然についても触れられており、かの地に住む人々が自然と調和して生きていることがよく分かる。ヒグマに頭をかじられた男性の話が胸を打つ。事故と割り切って、彼はヒグマに憎しみを抱くことはない。この男性は自分の顔の写真の撮影に快く応じてくれたそうで、それが本書に収録されている。不敵な面構えの良い顔だと思う。2017/04/13
けんとまん1007
46
シベリアという言葉にも、独特な響きがある。厳しい自然、広大な大地、そこに生きる動物と人間。その動物たちの息遣いがするような写真。ある種の美しさと、逞しさが同居しているようだ。そんなシベリアの動物たちは、今、どんな状況にあるのだろうかと思う。また、描かれている風景にも圧倒される。息をのむ風景とは、こういう風景なのだろう。2022/12/14
アナーキー靴下
45
カメラマンである著者が、写真と文章でシベリアの自然や動物を伝えてくれる。ロシアの先住民族ナナイやウデゲの人々からは「タイガの神」として信仰されてきたトラ。アイヌ同様、自然との共存を重んじ、その恵みと厳しさに畏敬の念を持っていたからこそ残された美しさだ。印象的だったのは、絵画と同じ光景が目の前に、のくだり。様々なシベリアの自然を体験すること自体、憧れを感じるが、それ以上に、見たことのある絵画を思わせる光景を目の当たりにする、というのは本当に羨ましい。トラ以外は、海獣、ヒグマ、多種の鳥、ホッキョクグマを紹介。2020/12/28
風に吹かれて
26
シベリアトラ、アムールヒョウ、ヒグマ、ホッキョクグマなどなどの息づかいまで伝わってきそうな素晴らしい写真。いや、写真が素晴らしいのではなく、生き物たちが素晴らしいのである。そして彼ら彼女らが生きる雄大な自然の風景、そもそも地球が生き物たちをどのようにして育んでいるのか、生命の原点への想いを誘われる。 夕暮れのチュコト海の写真に見入る。流氷が浮かんだ海と遥かに広がる空はパープルを含むブルーに彩られている。そのひとつの風景が、わたしたちが住んでいる地球が宇宙に浮かんでいることを確信させる。 →2023/04/09
-
- 和書
- 走れ、風のように