出版社内容情報
「地球サミット」や「気候変動枠組み条約締約国会議」などで,地球の温暖化や二酸化炭素の排出をめぐって,国際的な議論が繰り返されている.温暖化の原因と影響,工業文明・経済成長との関連,エネルギー問題の現状と課題などを平易に解説しながら,炭素税を中心とした経済的措置を検討し,求められる方向を提示.
内容説明
地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出は二十世紀型工業文明と表裏一体の関係にある。その排出削減のためには、二十世紀型工業文明を見直すと同時に、炭素税、排出権取り引き等の措置を適宜活用しなければならない。これらの措置の有効性と経済影響を吟味し、今後の温暖化対策の方向を提示するとともに、二十一世紀型文明の輪郭を描く。
目次
第1章 地球温暖化問題とは何か(地球温暖化のメカニズム;なぜいま地球温暖化問題なのか;環境と文化;問い直される二十世紀型鉱業文明)
第2章 エネルギー需給と地球温暖化(経済成長とエネルギー消費の増大;新エネルギーと原子力)
第3章 温暖化防止対策を考える(温暖化対策にまつわる利害;炭素税の有効性と経済影響;早期の対策か対策の先送りか;排出権取り引きと共同実施)
著者等紹介
佐和隆光[サワタカミツ]
1942年和歌山県高野山に生まれる。1965年東京大学経済学部卒業。専攻、計量経済学、統計学、環境経済学。現在、京都大学経済研究所所長・大学院エネルギー科学研究科教授
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感想・レビュー
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はっせー
111
再読した!相変わらずとても勉強になった! 今から20年以上も前に出された本だが今の時代にも使える知識が多かった。環境問題に対するデータは古いが、佐和さんが用いた理論などはとても面白いアプローチもあった。原子力行政は私も勉強している分野なのでとても役に立つものであった。炭素税について環境経済学からのアプローチは今後世界的に起きることかもしれないと思った。日本もいずれ炭素税を導入してくる世の中になるかもしれない。経済被害が少ないときいて本当に安心した。環境問題の本をまた読みたいと思った!2020/02/06
ノイス
5
京都議定書採択直前の考察ということでやや古いが、地球温暖化の基礎科学的・社会学的概要と対策として考えられうる凡その要素を知る分には十分すぎる内容。筆者がなかなかの慧眼で、予測の文章を現状に照らし合わせて繙いていけるため、いちいち本書の内容と現在を比較しながら読む必要はあまり無い。強いて言うなら炭素関連に話を絞り過ぎているのと(今やリグレットどころではない異常気象の連鎖に見舞われている一方、本書の数年後に温暖化の停滞という奇怪なことも起き始めている)、図形的思考を交えた図の読み取りが複雑であることか。2015/06/09
しみず
2
少し前の本であるが、地球温暖化について様々な視点から書いてある。 主に経済の面から見た温暖化対策がなぜうまくとれないのか等。 一面的に見るのではなく、副次的な要素も考慮する必要がある。 例えば省エネなどであれば先行投資がいくらで、いくらずつ回収していけるのか等。
nagasaki
2
少し前の本であるが、地球温暖化について様々な視点から書いてある。 主に経済の面から見た温暖化対策がなぜうまくとれないのか等。 一面的に見るのではなく、副次的な要素も考慮する必要がある。 例えば省エネなどであれば先行投資がいくらで、いくらずつ回収していけるのか等。 2013/07/14
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