出版社内容情報
当代一流の俳人たちが,流派の別をこえて句会を催す――好評を博した前回の句会録『俳句という遊び』につづく第二弾.厳寒の奥多摩に句座をともにするのは,三橋敏雄,藤田湘子,有馬朗人,摂津幸彦,大木あまり,小澤實,岸本尚毅ら七人に加え,歌人岡井隆.第一級の韻文家たちによる愉しくも真剣な遊びの世界の醍醐味をおつたえする.
内容説明
当代一流の俳人たちが、流派の別をこえて句会を催す―好評を博した前回の句会録『俳句という遊び』につづく第二弾。厳寒の奥多摩に句座をともにするのは、三橋敏雄、藤田湘子、有馬朗人、摂津幸彦、大木あまり、小沢実、岸本尚毅ら七人に加え、歌人岡井隆。第一級の韻文家たちによる愉しくも真剣な遊びの世界の醍醐味をおつたえする。
目次
風花句会
深雪晴
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
66
前作『俳句という遊び』から四年、再度の句会の実況中継。参加者8人がその場で出されるお題にそって、一句あたり10分で詠む。お題の数は10。提出後は名を伏せて採点しあい、寸評を加えていく。今回歌人岡井隆が参加し、短歌と俳句のセンスの違いなどが語られる。前作と同じく各俳人たちの来歴なども。今回句会の意図などを前もって参加者に伝えてあり、準備しているせいか前作よりも面白く感じられた気がする。前作もこれも俳句の入門にふさわしい本。2018/03/28
メタボン
27
☆☆☆★ 1泊2日の楽しい句会の様子が伝わってくる。舌、待つ、線といった一癖ある題に対して、各俳人の読む句が個性あふれて面白い。「舌荒れてをり猟銃に油差す」小澤實が一番印象に残った。2019/05/06
かふ
17
俳句が関係性(座)の文芸と言われるのは句会を通して理解すると、例えばここではベテラン俳人と若手俳人の中に歌人の岡井隆を入れて同じ韻文詩でもその違いを明確にしている。また俳句の師弟関係もあるので、お互いに作風が読めるというのがあるようだ。それは内輪のゲームなのだが、それによって句会を楽しむということがある。俳句が挨拶だと言われるのは、季節や自然、そしてその場の関係性に対しての座の文芸なのである。その解説者として小林恭二がプロデュースするのは伝統俳句の約束ということになる。2024/03/05
おおた
13
読書会を開催する根本の一つはこの本。俳句という構え方でなく、普段から言葉を選ぶ瀬戸際、言葉・日本語の芳醇さを一気にここで思い知らされて、自らの言葉の狭い鉢を少しでも広くしたいと試みる。575の枠で言葉が配置されることで、我々の脳みそは一気に色彩と造形をかたちづくる。その瞬間を何度も磨いていこうとする人々の記録。再読するたびに新たな発見があるって野暮ですが、何度も読み返すべき、そしてこの刺激ほどの己の受容体を育てたいと反省させられる一冊。若人読むべし。2014/09/04
フリウリ
11
続編というが正編は未読。句会がどのように行われ、句がどう評価されるかがわかります。岡井隆の句が、本職のそれらよりおもしろく感じたのは、岡井の視点と手際が、わたしにはなんとなく理解できたから、という気がします。師系という問題。また、俳句がきわめて定型的な知性を要求する言語表現であり、その生臭みを受け入れねば鑑賞すらままならないという問題。これらを許せる人は許せばいいけれど、定型的知性を反故にする表現が、時に称揚されることなしには、俳句(発句)は生き延びえなかったのでは、と句会でのやりとりから感じました。72025/01/21