出版社内容情報
アートであり,ビジネスでもあるファッション.その世界で四○年,今や国際的に活躍するデザイナーが,色を極め,形に挑んできた歩みを振り返りながら,職人芸ゆえの喜びや,知られざる緊張,興奮の体験を流麗な文章でつづる.ユニークな流行論,男女論も交え,ファッションを見る眼を変えさせずにはおかない,初の書き下ろし.
内容説明
アートであり、ビジネスでもあるファッション。その世界で40年、今や国際的に活躍するデザイナーが、色を極め、形に挑んできた歩みを振り返りながら、職人芸ゆえの喜びや、知られざる緊張、興奮の体験を流麗な文章でつづる。ユニークな流行論、男女論も交え、ファッションを見る眼を変えさせずにはおかない、初の書き下ろし。
目次
序章 あるファッション・ショーの準備
1 ファッションとの出会い
2 修業、映画、そして色
3 デザインすること
4 国境をこえる
5 アートとして、ビジネスとして
6 暮らしのなかのファッション
終章 文化と呼ばれるようになったファッション
おわりに 二一世紀に向けて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
23
日本というブランドの価値を高めてくださった立役者のおひとり、森英恵さんのエッセイ。きらびやかな世界に見えて、人知れぬ苦労や地道な努力があり、そして曲がらぬ信念をお持ちだからこその現在がある。勉強になった。2015/01/24
nekozuki
6
このテーマが岩波新書から出ていることに当初違和感があったが、ファッションを文化として捉え、その第一人者と言っても良い森英恵さんの自伝と考えると理解が出来る。多くの先駆者がそうであるように森さんも、がむしゃらに目の前の仕事に取り組んだ経験があるよう。そして、その壁を乗り越えられたのは戦争という経験があったから。華やかな舞台で活躍する森さんの言葉の端々に戦争の記憶が見え隠れするのが印象的。2016/01/11
Yuki Taterin
5
森英恵さんは「世界で場所を選ばず普遍的に通用するもの=美」と、「日本人にしか表現できない日本的なもの」の両方に重きを置き、バランスをとってきた。だからこそ強く魅力的。フランスでの男と女の存在感・・・フランスでは地元のカフェや、家で家族で寛いでる時も女は女、子供の時も結婚してからもおばあちゃんになっても女は女。だから緊張感はあるけれど女性が美しい・・・という価値観も勉強になった。2016/10/18
かすみ
3
メイドインジャパンが安かろう悪かろうだった時代があったなんて知らなかったな。メイドインジャパンに価値をつけたのは彼女かもしれませんね。知人のセレブ自慢みたいなのはあまり興味なかった。2020/05/21
keepfine
2
森英恵の自叙伝。日本人の衣服は着物に象徴的なように、身体に巻きつけるように着る。他方で西洋の衣服の着方は立体感を生み出すこと。また日本は日本の特殊性を強調し過ぎているが、外国人にとっては「日本人がよくわからない」という逆説。相撲や歌舞伎のようなダイナミックな文化から緻密で繊細な先端ロボット技術まで、どれをとっても日本の文化。侘び寂び〜ミニマリズムも一例だが、それらに集約されない日本性を築いていくことが課題だという。2019/06/01