出版社内容情報
年々膨れ上がる廃棄物,全国各地で上がる処分場反対の声.生活ごみの減量とリサイクルの努力が追求される一方で,産業活動から排出されるごみは,いま,ぎりぎりの瀬戸際に立っている.処分場の実態や住民の不安,不法投棄や有害廃棄物の処理など,各地の実状や試みを報告しながら,私たちの生活,そして産業や行政のあるべき方向を探る.
内容説明
年々膨れ上がる廃棄物、全国各地で上がる処分場反対の声。生活ゴミの減量とリサイクルの努力が追求される一方で、産業活動から排出されるゴミは、いま、ぎりぎりの瀬戸際に立っている。処分場の実態や住民の不安、不法投棄や有害廃棄物の処理など、各地の実状を報告しながら私たちの生活、そして産業や行政のあるべき方向を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Naota_t
5
#2078/★3.2/当時の法律体系の曖昧さと行政の対応の甘さがよく理解できた。そもそも、廃掃法で産業廃棄物や安定型処分場の定義はザルであることが発端だと思った。廃掃法でPCBすら毒だと規定されておらず、アメリカやドイツと比較して、驚くほど有害な規定物質が少ない。高度成長期に企業へ忖度し、排出者責任を骨抜きにしたと想像できる。マニフェスト・システムも体裁だけで、結局はアメリカのスーパーファンド法のように社会全体で将来の環境への考え方を変えなければならない。出版から30年経った現在、どう変わったのだろう?2024/03/03
wei xian tiang
3
地名企業名全て実名な中で、有名な八幡の自動車解体野焼き公害のことを書く段だけは、八幡という広域地名すら伏せているのは何故だろう?言葉狩り・自主規制的な異様な印象を受ける。海棠六区支部が自ら支部名入りで解放出版社から「自動車解体共和国」を刊行しているし、一体誰への配慮なのか。2015/09/01
海星梨
1
車って丸々燃やされてたんですね……やば。「自然を守ろう」というキャッチフレーズは実際の被害から出てきて、自分と同じように不景気生まれで過去を知らない層の消費の中へ取り込まれてしまっているのかなぁ。化学の知識がないと何が起こっているのか理解できないし、さらには法律を知っていないと対抗できない。法は読み解くだけではなくて、さらに変えていくために参政権があるんだ、とか月並みなことを思いつつ。経済を優先した、というよりも立法側が何が起こるか想定できずに作り、実際に適用できませんでしたという方が実態に近いのでは。2018/12/15
かきたにたくま
0
産業廃棄物処理場からさかのぼり、産業廃棄物の問題がなぜ解決しないのかを解説した良書。要は経済を優先した法律に問題があるということなのですが、その実態については一見の価値があります。そして我々にできることは、ルールの改善すべき点の指摘と、不完全ながらも意味あるルールの遵守です。というわけで、まずはしっかり分別ですね。2013/12/16