出版社内容情報
モノとカネがあふれる世界一の金持ち国・日本.だが一方では,環境破壊,過労死,受験競争,老後の不安など深刻な現象にこと欠かず,国民にはゆとりも豊かさの実感もない.日本は豊かさへの道を踏みまちがえた,と考える著者が,西ドイツでの在住体験と対比させながら,日本人の生活のあり方を点検し,真に豊かな社会への道をさぐる.
内容説明
モノとカネがあふれる世界一の金持ち国・日本。だが一方では、環境破壊、過労死、受験競争、老後の不安など深刻な現象にこと欠かず、国民にはゆとりも豊かさの実感もない。日本は豊かさへの道を踏みまちがえた、と考える著者が、西ドイツでの在住体験と対比させながら、日本人の生活のあり方を点検し、真に豊かな社会への道をさぐる。
目次
1 金持ちの国・日本
2 西ドイツから日本を見る
3 豊かなのか貧しいのか
4 ゆとりをいけにえにした豊かさ
5 貧しい労働の果実
6 豊かさとは何か
著者等紹介
暉峻淑子[テルオカイツコ]
1928年大阪府に生まれる。1963年法政大学大学院博士課程修了。専攻は生活経済学。現在、埼玉大学名誉教授
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感想・レビュー
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なかしー
43
かなり昔(初出版1989年)に書かれた作品なのにふるさを感じない。全然変わっていない事柄も多いんだなぁ…2019/03/15
おせきはん
31
本書が執筆された経済的には豊かだったバブル期(35年前)にも労働環境や社会保障など暮らしの豊かさには課題がありましたが、様々な格差が拡大した現在、当時よりも厳しい生活を送っている方も少なくないと思われます。心や時間の豊かさを含む暮らしの豊かさも、ある程度の経済的な豊かさに支えられているはずで、「豊かさとは何か」を考え直すよい機会になりました。2024/06/25
nobody
20
「殺処分、日本何十何万、ドイツ0」とかいうのをふと目にすると、何か根本的な所が違うのではないかと思えてくる。日本人の子供の生活は虐待で、大人の生活は奴隷のようだ。対してドイツ人の生活は地上のものとは思えない。ドイツ人が日本人の生活を見たらどう思うだろうか。日本人が全員ドイツ人の生活を知ったらどう思うだろうか(大陸欧州の社会保障は報道規制されているに違いない)。マルクスが現代ドイツに生まれていたら革命を志しただろうか。今現在北欧とかオランダ・ベルギー辺りで革命党派はあるのだろうか。こうした思惟の流れでいつも2020/11/14
ヨクト
20
日本は経済大国であって、豊かな国ではない。本書が書かれたのは20年以上前、はたして今の日本の現状はどうだろうか、と本から目を上げてみると本の中で言及されていることと同じ問題がそのまま残っていた。いや、今はもっと深刻化しているといっても過言ではない。子供のころから偏差値ではかられ、有名企業に入っても働きづめで、家庭に圧迫され、老後のためにコツコツと貯金をしなければならない社会が豊かな国といえるものか。労働・教育・医療・介護。微力でも一人一人が考えていかなくてはね。未来の子供たちのためにね。2013/09/18
獺祭魚の食客@鯨鯢
19
最近日本を訪れる中国人観光客がそうであるように、満足度を高める志向「モノ」から「コト」へ指標が変わってきたようです。真の豊かさは、ブランド品を手に入れることではなく、気の置けない人と一緒に残す体験による思い出なのではないでしょうか。経済大国ではないブータンは「幸福」な人が多いといいます。彼の国の人々が幸せなのは、国民同士互いに‼いがみあわず心の絆を深めているからだと思います。現代では自分の心身を蝕むあらゆるマイナス要因を取り除くことが心の豊かさを手に入れる近道かと思います。2017/10/14
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