岩波新書<br> 競馬の人類学

岩波新書
競馬の人類学

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  • サイズ 新書判/ページ数 211p/高さ 17X11cm
  • 商品コード 9784004300175
  • NDC分類 788.5

出版社内容情報

競馬は面白い.それも見るだけより賭けた方がずっと面白い.一瞬のレースは,激しい興奮と深い哀感をもたらす.競馬戦歴二五年,世界を歩いてきた人類学者が,各国の競馬に取り組み,日本競馬の特質を描く.実戦に基づく鋭い洞察と分析,辛口のユーモアと軽妙な語り.この一冊に,馬券のプロは悶絶し,未経験者も甘い誘惑を感じてしまう.

内容説明

競馬は面白い。それも見るだけより賭けた方がずっと面白い。一瞬のレースは、激しい興奮と深い哀感をもたらす。競馬戦歴25年、世界を歩いてきた人類学者が、各国の競馬に取り組み、日本競馬の特質を描く。実戦に基づく鋭い洞察と分析、辛口のユーモアと軽妙な語り。この1冊に、馬券のプロは悶絶し、未経験者も甘い誘惑を感じてしまう。

目次

1枠 馬は駆ける、人は賭ける―文化表現としての競馬
2枠 太古の人も馬に賭けた―古典にみる競馬の起源
3枠 射幸心は原罪か?―競馬の社会的負価性
4枠 一味ちがう本場のベッティング―イギリス競馬と社会
5枠 草競馬流浪記外国篇―カリブ・ケニア・タイ
6枠 事なかれ主義の軟式競馬―日本競馬の現在
7枠 情報信ずべし、信ずべからず―予想と情報
8枠 胸つぶるるもの、競馬見る―私の競馬戦歴25年

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんこい

8
競馬は賭博でよくないものとする雰囲気はだいぶ薄れたようですし、枠連問題も今は多様な馬券ができていますね。男と女の楽しみ方の違いとか、英国ブックメーカーのなんでも賭けられる世界、ケニアの競馬とか興味深かったです。大船競馬場というのは何かな?2014/12/04

ああああ

2
他の「見るスポーツ」と違って、競馬では観客も実によく動くことにその一因がある。観客もまたこのゲームのプレーヤーだからである。競馬は馬の走るスポーツか、馬に賭けるギャンブルか、あるいは両方の性質を持つとしてもどちらの方を優先すべきか、という議論が続けられてきた。 大勢はギャンブルよりもスポーツ性を強調する側だが、私はこの二つに「ゲーム性」を加えたものがトータルな競馬だと思う。p132022/01/10

バーニング

1
1988年の馬事文化賞受賞作。いま読んでも世界あちこちの競馬の風景は面白い。本場イギリスでどのように競馬と賭けが始まり、長らく非合法だった賭けがいかにして合法化されるかという経緯も面白かった。1988年はオグリキャップ4歳の年だがすでに女性ファンが増えていて競馬場も綺麗になっていた、というのはなるほど既に思ったよりいまの競馬の風景に近いかもしれない。馬券の種類が少なく、まだ世界の競馬からしたらレベルが低いとされていた時代ではあるけども。2020/06/03

百木

1
大学教授の著者が自分の好きな競馬の魅力を人類学的、社会学的な用語や視点を使いつつ語るというような内容で特に難しいこともない。ただ、難しくはなくとも、人々が競馬をどう捉えそこに何を求めているか、それは男女、地域により違うのか、時代とともに変わりつつあるのかといったことや世界の競馬場の様子もをそれなりに事例、データ、フィールドワークを用いて書いているのでしっかり新書レベルとしての内容は十分ある。特に海外の、しかも競馬的にはどちらかと言えばマイナーな国の競馬の様子と人の持つ射幸心に対する考察が興味深かった。2015/11/11

Omata Junichi

1
日本における近代競馬に関する研究史の蓄積はものすごく少なく、自分が勉強していたころは、立川健治が『富山大学人文学部紀要』に発表していた諸論文(のちに立川健治『文明開化に馬券が舞う』(世織書房、2008年)にまとめられる。しかし、欲しいけど高いよこの本!)と武市銀次郎『富国強馬』(講談社選書メチエ、1999年)くらい。なんせ『競馬ブック』とかの論文は国会図書館の検索にもかからない研究分野だしね。まぁ、イギリスの馬券の買い方とか、海外の草競馬の紹介とか、面白かったですよ。『競馬の人類学』ですか。そうですか。2013/09/27

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