出版社内容情報
十世紀前期,平将門と藤原純友の反乱が世を驚かす.この東西の兵乱は,来るべき武士の時代への序曲であった.国家に対する謀反人として恐れられ,あるいは,新時代の英雄として親しまれてきた将門とは一体何者だったのか.考古学・地理学的知見をもふまえて当時の東国社会の実態をさぐりつつ,転換期を象徴する乱の全貌を描く.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeapple
8
小学生の頃見た、風と雲と虹とを思い出した。なぜ将門が権力を握れたのかを鉄と馬、内海(水郷)世界という視点から読み解く。古典的名著。2011/11/03
中島直人
5
分かり易く読み易い。平将門の虚と実が見える。2016/01/21
かみかみ
4
再読。出版当時の最新の考古学の知見も盛り込んでおり、興味深い。増えすぎた皇族の臣籍降下、武士団の形成、軍馬や鉄器の産出や管理ができるだけの体制の確立など諸々の要素が浮き彫りにしている内容。2020/02/02
かみかみ
3
評価:★★★★ 平将門の乱とその時代の概要を読み解く入門書。特にべんきょうになったのは将門の勢力基盤について。製鉄を管理し、現地の住民に農具を供給していた、というのは初めて知った。その後の将門の顛末は悲惨だと思ったけど。2013/01/18
BIN
2
平将門について、将門の前後の時代のことも含めて解説した本。小説でしか読んだことがなかったけど、「将門記」が軍記物語であることや製鉄技術や馬のことなど、小説ではまず知ることがない情報がよく記載されている。兵の数が数十人だったりと少ないなと思っていたけど、それに関してもよくわかる解説でよかった。2014/08/30