出版社内容情報
発達とはなにか．子どもの心と行動はおとなのそれとどうちがうか．子どもはどんな節目をとおって自己を獲得し，社会化していくのか．発達心理学の立場から，長年にわたり，子どもの問題を見守りつづけてきた著者が，子どもの精神的成長の道すじについて，また子どもの発達と教育とのかかわりについて，さまざまな角度から語る．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TaE
2
発達というのはたんに自然的な成長ではなく、教育的な意図の中に現われてくる人格形成であるという。著者の専門上、子どもといっても関心の対象は幼児に傾倒しているが、全体を通じて興味深く読ませてもらった。特に、「興味」と「道徳意識」のくだりがおもしろい。とある保育園園長の、「限りない満足と限りない不満をもっている子ども」という言葉は非常に示唆的で、満たされすぎていることも、何も与えられないことも、子どもの発達にはいい影響を与えないのだろう。2010/09/02
