感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むらさき
7
面白かった。 エピクテトスの考えについてその時代背景やその後の展開があることや禅との類似など指摘されているのはよかった。 特に面白かったのは、当時のローマの状況や思想の流行りを紹介しつつ、どのようなスタンスで哲学が行われたかというところ。 自分は考えのコアを優しい入門書で読んだ程度だったので、時代背景などはとても勉強になった。2021/11/08
black_black
5
ストア哲学の成り立ちや思想の主旨を一通り概観できるけれども、ロゴスやプネウマなどの言葉の咀嚼が不十分で意味をつかみかねる部分も多く、読解力不足も認識させられる本だった。禅をはじめとした東洋思想・宗教との親和性が高そうな点も印象的だった。2022/05/18
Akiro OUED
5
失くしたものは最初から持っていなかったと思う。これが、ストア哲学なのか。ストイックにカラダを鍛えるヒトに向かって、エピクテートスは、割れた腹筋を見せるべきではない、と諭す。うまく行かないとき、人を恨むな、神を呪うな、と著者は警告する。ストア哲学、温暖化対策向きだね。好著。2021/12/03
mikio
4
諸君、君たちは神を期待するがいい。神が合図をして、この奉仕から解いてくれる時、その時こそ神の処へ立ち去るがいい。だが現在は、君たちは辛抱して、神が君たちを配置したその場所に住んでいるがいい。君たちのこの世に住んでいる時間は、短いのであるし、またそのような心境の人々にとっては、それは容易なことだ。というのは、そのような肉体やその所有物を何物とも思わぬ人々にとっては、どのような暴君、どのような泥棒、あるいはどのような牢獄がまた恐ろしいだろうか。とどまるがいい、軽率に去らぬがいい。(P124)2022/03/21
有沢翔治@文芸同人誌配布中
3
ストア派はローマ帝国で栄え、いかに生きるか、幸福とは何かを考えた。その後期ストア派の代表的人物、エピクテートス。奴隷の子として生まれたが、主人のエパプロディートスに売られた。しかし、彼はストア派の哲学者、ルーフスのもとで学ぶことを許す。解放後は哲学の教師となる。エピクテートスを中心にストア派の思想に迫る。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51524221.html2022/04/24