出版社内容情報
西欧近代機械技術と出会うまで,日本人はいかなる技術水準にあったのだろうか.火縄銃が伝来した十六世紀半ばから黒船が来航してきた幕末までの時代,日本人は如何にさまざまな技術をとらえ,伝え,応用していたのかを,具体的に検証する.銃砲・火薬類,造船と航海の技術,金銀銅の鉱山技術,からくりや歯車などを解明して興味深い.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズツキ
4
結構評判が良く続編も出ている本。非常に細かいところ、火縄銃の図解まであって頭が下がる。2015/07/08
みかん。
3
硝石(KNO3)の製法はタンパク質内の窒素(N)やアンモニア(NH3)に土壌微生物による硝化を利用したもの。さらに硝酸カルシウムに石灰内の炭酸カリウム(K2CO3)を加えますね。1838年の「伊豆防備意見書」ではフランス式の硝石製法によって硝石の大量生産に踏み切るべきと具申していますね。鹿児島では島津斉彬が洋学者に命じて谷山製硝場が作られる。谷山硝石を原料に鹿児島火薬製造所が竣工する。西南戦争の落着後鹿児島の技術者や職工等が引き抜かれ目黒の火薬製造所が作られたそうだ。2024/11/06
牛歩
3
1970年初版の本だがいま読んでも十分なもの。/火縄銃・大砲・火薬、造船と航海に関するもの、鉱山の採鉱、歯車・カラクリという内容。/技術史から見た井伊直弼の評価や、東西が逆になっている日本独自の羅針盤の話など面白い。2013/11/10