岩波新書<br> お経の話

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岩波新書
お経の話

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004121534
  • NDC分類 183
  • Cコード C0215

出版社内容情報

「お経」は仏教の聖典である.その中には,宗教や哲学の思想としてだけでなく,文学や民俗学の資料としても興味深いものが多い.日本の文化に大きな影響を与えた「お経」をふたたび現代人のものとするために,インドの原典ほか多くの資料を駆使して主要な経典のあらすじをたどり,近代的な文献学の方法によって,大胆な分析を試みる.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

31
史的年代が不明確なのが残念だが、前半の仏典の成立史は、仏陀入滅後の流れをできるかぎり再現してみせ、著者の研究成果をまざまざと見る思いがした。後半は主要なお経の概説で、「維摩経」の項を読んで、マザーテレサやウィトゲンシュタインを連想。文学的にもおもしろいと思った。著者も「戯曲風の作品」と書く。難しいだろうが、読めるものなら読んでみたいものである。2015/11/18

takeapple

16
古い本であるが、大乗仏教の立場からの仏教経典の概観がわかる。パーリ語経典が必ずしも漢訳経典よりも古いとは限らないということもあるので、現段階での最新の学説ではどうなっているのか知りたいところではあるが、成る程大乗仏教が出てきた歴史的意義や、大衆部との関係など、そうなのかなと思う部分も多い。思えば30年以上前の大学での教養の仏教学の授業の参考指定図書でレポート書いたことがあったけれど、あの頃もっと真面目に授業受けて教授に質問したりすれば良かったなあ。2018/08/21

あっきー

14
✴2 教科書的であり自分のようなドシロウトにとっては読みどころというか面白さを掴みきれず、チト難しめで古さを感じる本、だが他の入門書を読んで勉強してみたいと思わせる本だった2020/01/21

Aminadab

11
渡辺照宏(1907~77)初読みだが優秀な学者。本書(1967年)始めこの人の岩波新書がまだ現役なのも納得。19世紀西欧の学者はスリランカに伝わるパーリ語本文を重視し、これこそ釈迦とその直弟子たちの「原始仏教」を伝えるものだと考えたが、実はその成立時期は般若経など大乗仏典を含む漢訳本文よりむしろ新しい。修行と解脱を旨とする上座部と、大衆教化と菩薩行を旨とする大衆部と、両者は最初から併存していたので、前者から後者が派生したのではない。高度な内容を圧縮して詰めこんであるから決して読みやすくはないが、名著です。2021/02/17

モリータ

10
◆1967年刊。◆著者の立場まとめ;釈迦の時代から、仏教は対象や教化の方法において多様な志向を持つ人々からなっていた。釈迦は統制的ではなかった。死後も統一的な教義が保持されたわけではない。弟子が集まり仏説の承認があったのは確かだが、そこに含まれない教義や集団も最初から存在していた。つまり在家信者・大衆を志向した(大乗的な)教えと、解脱を目指す出家信者のための(小乗的な)教えは、その多様なバリエーションの中で最初から併存していた。純粋な「原始仏教」があり、それに後発の大乗説が加わっていったのではない。2022/07/12

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