出版社内容情報
20世紀アメリカを代表する神学者ラインホールド・ニーバー(1892-1971)は、キリスト教現実主義の立場から政治と倫理の相克をめぐる鋭敏な考察を展開した。個人がより善くなれば、社会や政治の問題は解決できるのか。人間の本性と限界を冷静に見つめたうえで、正義の実現への道をさぐろうとした初期の主要著作。
内容説明
20世紀アメリカを代表する神学者ラインホールド・ニーバー(1892‐1971)は、キリスト教現実主義の立場から政治と倫理の相克をめぐる鋭敏な考察を展開した。個人がより善くなれば、社会や政治の問題は解決できるのか。人間の本性とその限界を冷静に見つめたうえで、正義の実現への道をさぐろうとした初期の主要著作(1932年刊)。
目次
第1章 人間と社会―共に生きる術
第2章 社会生活のための個人の理性的資源
第3章 社会生活のための個人の宗教的資源
第4章 国民の道徳性
第5章 特権階級の倫理的態度
第6章 プロレタリア階級の倫理的態度
第7章 革命による正義
第8章 政治的強制力を通じての正義
第9章 政治における道徳的価値の保存
第10章 個人道徳と社会道徳との相克
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
12
TVゲーム「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」が佳境に入ってきたけれど、本書と通じる部分が多いような気がする。個人の道徳は、主観的な話なので心がければコントロールするのは難しくないと思う。それが間主観性、集団の中の個となると話は全く異なってくる。著者は内的道徳性と外的道徳性として区別している。後者は政治経済の世界に道徳性は機能しているのか、という無理ゲーな問題を扱っている。村上春樹氏のエルサレムでの講演「卵と壁」を思い出す。あるいはジョージ・オーウェルの「ビックブラザー」。ニーバー氏の結論は「壁抜け」を信じろ、だ2024/03/23