出版社内容情報
アレクサンドリアに生きた孤高のギリシャ語詩人、コンスタンティノス・カヴァフィス(一八六三―一九三三)。生前広く公刊されることのなかったその詩の大半は、歴史を題材にアイロニーの色調でうたうもの、あるいは同性との恋と官能を追憶としてよむものであった。訳者が長い年月をかけて訳出した全一五四詩を収録。
内容説明
アレクサンドリアに生きた孤高のギリシャ語詩人、コンスタンティノス・カヴァフィス(1863‐1933)。生前広く公刊されることのなかったその詩の大半は、歴史を題材にアイロニーの色調でうたうもの、そして同性との秘められた恋と官能を追憶としてよむものであった。訳者が長い年月をかけて訳出した全154詩を収録。詳細な訳注を付す。
目次
壁
老人
アキレウスの馬
祈り
サルペードーンの葬儀
〓燭
第一段
老人の魂
…オオイナル拒否ヲナシタル者
中断
窓
テルモピュライ
約束違反
蛮族を待ちながら
声
欲望
トロイ人
デーメートリオス王
ディオニュソス群像
単調〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Moish
3
近代ギリシャの詩人、カヴァフィスの詩が発表順に紹介されている詩集。①古代からヘレニズム、ビザンチンに至るまでのギリシャの歴史や神話がモチーフの詩、②密やかな同性愛の詩が交互に登場。前者は史実にのっとっているわけではなく、架空の人物がごく自然に配置され、解説に「架空の人物」と書かれていないと勘違いしそうなくらい。さながら短編フィクションを読んでいるよう。ギリシャ人としての誇りと哀愁を感じ取ることができる。後者は、直接的な表現はないのに官能的。こちらからは、「誇ることができない」という苦い思いがにじみ出る。2025/01/21