岩波文庫<br> 芥川竜之介随筆集

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岩波文庫
芥川竜之介随筆集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 496p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003600207
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

芥川竜之介は、小説の他に、随筆、回想、小文を多く残している。芥川は、随筆を「清閑の所産を誇っていた文芸」として特に愛好した。古今東西にわたる深い学識、郷里(現・墨田区向島)への想い、交友を大事にした人柄など、芥川の素顔を良く伝えている。多岐にわたる珠玉の随筆を精選して初めてまとめる。詳細な注解を付した。

内容説明

古今東西にわたる深い学識に根ざした鋭い批評、気品に富む機知とユーモア、友人に対する優し過ぎる感情、創作に賭ける決意、郷里への想い…。厳しく完成された小説の奥に秘められた、芥川竜之介の柔らかな素顔を垣間見せる随筆を、精選してまとめる。

目次

大川の水
あの頃の自分の事
追憶
本所両国
雑筆
点心
澄江堂雑記
野人生計事
動物園
僕は〔ほか〕

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

83
なぜ芥川の作品に自分のemotionが揺さぶられるのかよくわかった気がした。谷崎より芥川が圧倒的に好きなことにも納得した。彼の感性、感受性、自然への親しみ方、なくなっていく物への郷愁などに、とても共鳴するからだ。短い随筆、文章の一つ一つに、彼がよく表れている。一度では味わえないから、これは手元において折に触れて手に取りたいと思う。本当にその作者に入り込もうとせず、よく理解もせずに、単に批評を行う人への憤りは、よくわかる。よく知りもせずに、よく文学を理解もせずに、適当な事を書くなということだ。2015/01/10

優希

77
静かに語られた事柄の数々の向こう側には柔らかい芥川の素顔が見えるようでした。恥ずかしい話が多いですが、それがかえってユーモラスに感じます。ちょっとツンデレなところも伺えますが、きっと華があった人なんだろうなと思いました。ただ、時代を生きるには神経質で優しすぎたが故に自殺という道を選んでしまったのでしょう。芸術とも言える作品を残した彼は一途に何かを求めすぎていたような気がします。2016/12/14

HANA

48
随筆集。テーマ事に幼少期の思い出、小説と芸術について、人々との繋がり、関東大震災後の事等、四つに分けられているが、ジャンルに拘らず全体をゆったりとした雰囲気が覆っているように思った。特にそれが顕著なのは幼少期の思い出の部分。芥川自身は江戸趣味が無いように語っているが、この幼少期にあるのは江戸と地続きになった東京の思い出であろう。総合的に大正の文人随筆の良い部分を集めたような造りになっている気がした。芸術と文学を信じていて、それでどことなく懐かしいような。芥川の文章のスタイルがよく現れているいい一冊だった。2014/08/07

やいっち

45
下町…大川…今で言う隅田川に掛かる両国橋などの近辺。本書冒頭の「大川の水」が秀逸。場合によっては、芥川は下町での思い出や経験を土台にした永井荷風と並ぶような小説家となる可能性もあったかもと思った。が、今昔物語などを元に「羅生門」や「鼻」を書いた。生みの苦しみを味わったようだ。小説家・芥川龍之介の誕生である。あまりいい読者とは言えない吾輩の印象だと、芥川はあまりに眼識というか見識が鋭かったように感じる。創作家たることを何処か内部から(自分で)傷つけていたように思えてならない。2019/11/02

いの

21
この随筆集では、人間芥川龍之介のお茶目な姿が垣間見れ楽しく読むことが出来ました。物事を冷静に分析をする反面温かい心の持主であったことも分かります。人間観察が好きだったのは1番面白いと思える対象が人間だったのでしょう。作家として厳しい意見も書かれています。梅の花が好きな私は「梅花に対する感情」を読みこれは表現者にとっては大事なことなんだろうと思いました。勿論解説が理解の助けです。子供の頃の思い出もいいですね。どの章も読者を楽しませる内容でした。でも心のなかに何だか寂しい気持ちも残ります。2019/04/10

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