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岩波文庫
紫文要領

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003510124
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C0195

出版社内容情報

「物の哀れ」「物の哀れをしる心」という概念で愛読書『源氏物語』の意義と価値を解した宣長。同じ概念を歌論に展開した『石上私淑言』と並んで<物の哀れ>文学観の成立を示し、注文書『玉の小櫛』に先立つ最初の『源氏物語論』

内容説明

物の哀れをしる心という概念で愛読書『源氏物語』の意義と価値を捉えた宣長。歌論『石上私淑言』とともに“物の哀れ”文学観の成立を示し、晩年の『源氏物語玉の小櫛』に先立つ最初の源氏物語論。

目次

巻上(作者の事;述作由来の事;述作時代の事;作者系譜の事;紫式部と称する事;准拠の事;題号の事;雑々の論;註釈の事;大意の事 上)
巻下(大意の事 下;歌人此の物語を見る心ばへの事)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

18
長らく積読にしてあった本です。もっとはやく読めばよかったな。宣長大人、すごいや。2014/06/20

彩菜

11
我が国の物語とは、従来言われてきたような儒仏の教戒の書ではなく、見る事・聞く事・様々の事に自然と心動く感情、物の哀れを書いたものなのだ。思うに古来から物語の美しさはそこに描かれた心理・感情にあったろうが、人々は未だそれを徴す言葉を持たず、又物語を解釈するのに異国の儒仏の教えをもってするより他の術を知らなかったのだろう。それに物の哀れという名を与え、独自の価値と解釈を与えたのが宣長と本書の才と功績だったのではなかろうか。「物の哀れを知るよりほかなし」、物語を語る言葉を得た宣長の、その言葉には迷いがない。2019/03/16

tyfk

8
小林秀雄『本居宣長』に引用されてる文がなかなか見つからず、そうこうするうち、とりあえず通読できてしまった、なるほど読みやすいです(内容は「間違いだらけの源氏読み」みたいな感じ2024/02/14

アメヲトコ

7
紫文とは紫式部の文、すなわち源氏物語のこと。本論は「螢」の物語論の註解から始まり、そこから「物の哀れ」の本質について論じられていきます。さまざまな反論に応答するかたちで繰り返し語られるのは、当時の教誡としての紫文解釈の根強さと、それをいかに打破していくかの宣長の苦闘ゆえなのでしょう。本書には口語訳は附されていませんが、宣長の文章は議論の射程に比して平易で、むしろ原文の魅力こそ味わうべきなのでしょう。2016/10/21

NICK

6
「物の哀れ」を感じることこそ『源氏物語』を読むにおいての本意である、という自説を貫くため、あらゆる反論を想定しそのことごとくに回答するという歪みなさはまさに本物。こういうぶれなさに面白さがあるのかもしれない。文芸評論としてももちろんだが、宜長という人の方向性もわかる面白い本。古文にしては易しく書かれているので苦手な方にもオススメ。2010/05/11

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