出版社内容情報
戦闘的マルクス学者猪俣津南雄(一八八九‐一九四二)による昭和恐慌下の農村踏査報告書.青森から岡山まで二府十六県にわたる農村踏査の旅を通じて,猪俣の鋭利なペンは農民たちの窮乏の深さと悲惨さ,農村経済更生運動の実相を明らかにし,農民運動のあり方に及ぶ.昭和恐慌下の農村社会を活写したルポルタージュの古典. (解説 大島 清)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
42
ところどころの伏字も生々しい2府16県に及ぶ踏査報告。日本の農業政策はこの100年失敗続きだということか。よかった時代などない。国にやる気がないとしか思えない。人は困窮極まると疲弊し過ぎて待遇改善運動に入ってこないというのは現代にも当てはまる。2025/01/25
刳森伸一
3
昭和恐慌による影響をもろに受けた農村部のルポルタージュ。副業とした行われていた養蚕業の凋落、地主(富農)による搾取、中央政府の失政なども重なり、窮状していた当時の農村部の実情がよく分かる。本筋とは少し離れているが、機械化により経済的にはかえって困難になっているのに関わらず、身体が楽でいいと吐露する農民のエピソードが印象的だった。2020/12/20
双海(ふたみ)
3
夏季合宿でお世話になりました。2013/07/31
芋煮うどん
2
昭和のはじめのルポルタージュ。農政に対する無策さは戦後はじまったのか、と思っていたが、さにあらず。 実態を知らずして机上の空論はこのころからなのだ、と、ある意味感心。 捨てられた農地や山林が急増する現代も、また、新たな窮乏であると思った。 2024/05/07
こうず
2
昭和恐慌下の農村の窮状を報告したルポ。精細な描写と提言は実際に行われた踏査の賜物か。作者はマルクス主義者だが、農村の現実を知らしめるのが目的であるため、元より先導的・過剰な描写は見られない。読み物としては面白くも無いが、ルポとしての努めは果たしているのであるまいか。2010/07/14




