出版社内容情報
人間の基本的諸自由はいかなる政治・社会体制のもとで生かされてゆくのかという課題に生涯をかけて実践的に取り組み,アメリカ独立宣言を起草,後に大統領にも就任して,アメリカに民主主義政治の基礎を築いたジェファソン(1743‐1826)の主要著作のひとつ.知事となったヴァジニア州におけるさまざまな問題を,きわめて具体的に述べる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Saiid al-Halawi
6
「われわれの母国におけるように、この地でも腐敗が政府の首脳部にも及び、さらに人民の心身にまで拡がっていくような時が、それほど遠くないうちに訪れることを、議員たちは考えておくべきであるし、また彼らが人民の声を金で買収し、そのために高価な代償を支払わなければならない時も遠くないことも考えておくべきであろう。」p.217 ('A`)2013/02/27
みなかみ
1
アメリカ合衆国第3代目大統領、トマス・ジェファソン。本書は完訳であるが、一部著者の手描きの図は掲載されていない。覚書の名の通り、歴史書ではなく記録に近い。アメリカ合衆国初期を知りたい人は読んで欲しい一冊である。2011/12/23
AZALEA
0
★★★2015/03/09
てり
0
質問に答える形でジェファーソンがヴァージニア州の様々について語る。標高1万5千フィートの貝殻の化石のことやマンモスのことなど面白く読めるところもある一方で、質問13では彼の憲法観みたいなものも読めて興味深い。また奴隷制に対しなくすべき制度との認識はある一方で、黒人に対してははっきりその人種的劣等性を述べている。18世紀末の知識人、ジェファーソンの先見性と限界の両方を垣間見れる。2022/03/28