岩波文庫
人間知性論 〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 443,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003400722
  • NDC分類 133.2
  • Cコード C0110

出版社内容情報

イギリスが近代市民社会へと変革を遂げつつあった17世紀後半の指導的思想家ロック(1632‐1704)の哲学上の主著である.彼の政治,経済,宗教,教育など多岐にわたる著作の根底にある近代合理主義は本書において哲学的に深められた経験論的認識論として実った.18世紀ヨーロッパ思想の主流イギリス古典経験論の基礎的著作.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんすけ

5
人間知性論第二巻十四章を読み始めると、次のような疑問が生じてくる。「存在しない『時間』を、人間は何故認識し得るのか?」現代に至っても明確な答えが得られない問題提起でもある。だがロックは二一節において体験の記憶を提示してその答えを感覚尺度として導く端緒を示した、と観ることもできる。「周期の見かけの等しさについては、私たち自身の観念系列が記憶に宿し、他のいろいろ確からしい理由の協力を得て周期の等しさを私たちに信じこませるような尺度、そうしたもの以外にはなんの尺度も私たちにはないのである。」(53頁)2017/02/15

ちゅん

0
感想は4巻目に書きます。2019/04/27

ppp

0
ロックは「観念」ということで、感覚から複雑な関係性の把握まで包括しており、その用語法がスリリングで面白い。バークリやヒュームと比べても、またデカルトやマルブランシュと比べても、その間にあるロックの「観念」はだいぶ両者とは異なる。同じ観念説を採る立場でも、誤解を受けやすい反面、論理空間の柔軟性では後続する二者よりは少なくとも勝っているように感じる。2014/08/04

ppp

0
観念の実定性を中心に。観念説をとるかぎり、観念の実定性を考える意味は薄れていくと思うが、ロックにおいてその傾向は現れ始めている。でも自然学との折り合いもあり、その概念をめぐる緊張関係は面白い。2013/09/28

ppp

0
第一巻の単純観念に続き、複合(complex)観念のあり方について語られる。有名な21章の能力観念と道徳論、27章の人格の同一性はもちろん、17章の(可能)無限の議論が面白い。でも人間の快苦に基づく道徳と神に基づく道徳の並立や、人格の同一性の観念説的説明の困難がみてとれる。この難点は、自分のヒューム解釈にも活かせそう。2013/05/15

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