出版社内容情報
明治国家を支える技術官僚を辞し、発明起業家を志して単身米国へ渡った高峰譲吉(一八五四-一九二二)。挫折の末、アドレナリンの単離抽出、タカジアスターゼの開発に成功した苦節の年月をふり返りつつ、日本における理化学研究と起業振興の必要性を熱く語る。スタートアップの先駆者のバイタリティあふれる文集。
内容説明
明治国家を支える技術官僚を辞し、発明起業家を志して米国へ渡った高峰譲吉(1854‐1922)。挫折と紆余曲折の末、アドレナリンの結晶単離、タカジアスターゼの開発に成功した苦節の年月をふり返りつつ、日本における理化学研究と起業振興の必要性を熱く語る。スタートアップの先駆者のバイタリティあふれる文集。
目次
1 化学工業家の誕生(口演 高峰博士発明苦心談;英国留学時の書簡より;本邦固有化学工業の改良 ほか)
2 アメリカでの発明活動(自家発見の麹ならびに臓器の主成分について;新ジアスターゼ剤およびその製造法について;百難に克ちたる在米二十余年の奮闘)
3 発明立国への道(いかにして発明国民となるべきか;余が化学研究所設立の大事業を企てたる精神を告白す;理化学研究進歩の賜だ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
14
今年は「岩波文庫の新刊を毎月読む」作戦を遂行中だ。当初7月刊行分は私の乏しい好奇心範囲の埒外につき、同時期の講談社学術文庫でお茶を濁そうと考えた。実際そうした。ある日のこと。私はもやもやしていた。副腎のようなもやもやにメスをいれ、分泌物を取り出して、主成分を結晶化することに成功す。「初志貫徹!」それは黄門の印籠みたいで、私は思わずひれ伏してしまった。で一冊目。閑話休題。明治の発明起業家高峰氏に興味を持たれた方は、星新一氏が書いたお父さんの話『明治・父・アメリカ』、『人民は弱し官吏は強し』をおすすめしたい。2022/08/15
そ
2
どのようにしてタカジアスターゼを発明したのかという話や、発明に至るまでの苦難などがまとめられています。高峰の研究について、複数の角度から知ることができると思います。全体的にアドレナリンについての表記は少ないですが、理解できる程度には触れられていました。個人的に面白いと思ったのは醸造所の近くに牛小屋があったという部分です。意外性があるけど理由を聞くと納得できるのがいいですね。2023/06/15
yokkoishotaro
1
面白かった。やっぱり、何かを発明(開発)することはとても大変なんだなぁ。実体験から組織の重要性も説かれていて、たくさんの学びがあった。2023/02/24
norio sasada
0
https://blog.goo.ne.jp/sasada/e/97c1729e723b352b3c9770a44ddaff162023/05/03