出版社内容情報
原子構造の解明から量子力学の形成と発展,原子核研究の開拓,核分裂の理論的解明と,20世紀の物理学をリードしてきたニールス・ボーア(1885-1962)による,量子力学の基礎づけと解釈をめぐる論文集.
内容説明
原子構造の解明から量子力学の形成と発展、原子核研究の開拓、核分裂の理論的解明と、20世紀物理学をリードしてきたニールス・ボーア(1885‐1962)による量子力学の基礎づけと解釈をめぐる論文集。ボーアの理論と哲学は、アインシュタインとの論争、多くの物理学者たちとの議論のなかで、形づくられ練りあげられていった。
目次
量子仮説と原子理論の最近の発展
作用量子と自然の記述
マックスウェルと現代理論物理学
時空の連続性と原子物理学
量子力学と物理的実在
物理的実在の量子力学的記述は完全と考えうるのか?
因果性と相補性
原子物理学における因果問題
原子からのエネルギー―好機と脅威
ニュートンの原理と現代原子力学〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
35
本棚の飾りと化している未読本。購入詳細不明。 2013/11/16〜12/20 永遠に飾りにしておくのは何なので意を決して読む。有名なボーアとアインシュタイン論争関係の著作がまとめられている。が、やはり難しい。少なくとも、通勤電車内で読む内容ではなかったな。 二巻も飾りとして購入してあるが、そのうち気が向いたら読んでみよう。2013/12/20
roughfractus02
8
元素のスペクトルは各々固有の値を持ち、連続的ではない(離散的)。スペクトルの離散性の観察実験から著者は、電子が存在するのは衝突のような出来事が起きる時に限られるのでは?と予想する。一方、電子の振る舞いに注視すると「感覚から借用してきた私たちの直感の形式を自然の法則についての漸次深まりゆく知識に融合させていく」必要が出てくる。その際問題なのは、感覚と直感に結びついている言語の性質となる。著者は、この結びつきの論理を因果性と呼び、エネルギーを測ると位置が測れずまたその逆も成り立つような量子の相補性と区別する。2022/01/25
hiro-suke
2
内容はよくわからなくてもボーアさんの論文に触れることができただけでも私にとって大きなことだったといえるでしょう。ボーアさんの論文を文庫でまとめて読める時代に生まれてきて幸せです。2013/11/27
Akiro OUED
1
ボーア自身も相補性について思案し続けていたんだね。相補性ペアとして、行列力学と波動力学からはじまって、量子論と相対論、心理学の主体と客体、はてまた生物学の機械と生命まで登場する。EPR論文への反論が難解だが、山本義隆の解説でスッキリした。ボーアも本質を理解してなかった。好著。2020/02/23
ヨウジン
0
量子力学の歴史がよく分かります。ただ少々専門的な知識があった方が読みやすいとは思います。2011/05/07