出版社内容情報
古代・中世のみならず近代に至ってもなお信奉されていた「自然発生説」すなわち物質から直接生物が生じるという考えを,根底からくつがえしたパストゥール(一八二二―九五)の画期的論文.徹底した実証・実験主義の精神に支えられた彼の研究によって,近代微生物学の基礎が確立し,医学や伝染病学,発酵工学は飛躍的な発展をとげた.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
10
昨今の若き女性研究者に刺激されて借りた(わけではない)。1861年初出。彼女と同様、パストゥールもパラ酒石酸塩を左と右の施性にわけ、工学的不活性の謎を解いたのは26歳の時(203-4頁)。やはり天才は30歳ぐらいで頭角を現す。大気の塵埃の中には、繁殖力をもつ微生物の芽胞が実際に存在する。煮沸された有機性の液が空気に接触するとき発生するすべての生物は空中の芽胞に起源をもつ(219-20頁)。こうしたことを証明した偉業。パストゥールは腐敗の研究。例の彼女は幹細胞にストレスを与えていじめていた。社会的には?だ。2014/01/31
Re哲学入門者
5
生気論じみた自然発生説や、空気劣化説ってどんな人でも陥りそうな考え方。どんな些細なことでもこうやって確認していく精神持ちたい。2025/04/03
Mm
3
家にコバエがいることから、ハエはどこからわくんだろうと思ったのがきっかけで、この本を読んでみた。自然発生を緻密なまでの実験によって否定する。仮定を立証するための実験方法が独創的でしかも的確なのが尊敬する。2015/07/30
シンドバッド
3
人としての姿勢について、随所に想いを馳せる。 もっともっと、多くの人に読んで欲しい一冊。2012/10/26
tanosyk
1
本物の科学者の事実に対する態度と、一般市民への態度を学ぶことができる。2012/06/19