出版社内容情報
1本のロウソクに火を点せば、科学の世界の扉が開く。製本工から偉大な科学者になったファラデー(1791-1867)が、最も愛した聴衆――少年少女に語りかけ、実験をくりひろげる名講義。現代の読者のために詳細な訳注を付す。(新訳)
内容説明
一本のロウソクに火をともせば、深遠な科学の世界への扉が開く。製本工から夢を叶え、偉大な科学者になったファラデー(1791‐1867)が、もっとも愛した聴衆―少年少女に語りかけ、実験をくりひろげる名講義。世界中で愛読されてきた本書は今なお科学の精神を生き生きと伝える。現代の読者のために詳細な訳注・解説を付した。新訳。
目次
第1講 ロウソク―炎とそのもと‐構造‐動きやすさ‐明るさ
第2講 ロウソク―炎の明るさ‐燃焼に必要な空気‐水の生成
第3講 生成物―燃焼によって生じる水‐水の性質‐化合物‐水素
第4講 ロウソクの中の水素‐燃えて水になる‐水の他の部分‐酸素
第5講 空気中の酸素‐大気の性質‐ロウソクからの他の生成物‐炭酸とその性質
第6講 炭素つまり木炭‐石炭ガス‐呼吸‐呼吸とロウソクの燃焼との類似‐結論
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
97
旧版との読み比べ。何といっても読みやすく、内容がすっと頭に入る。中・高生の参考図書には新版の方が最適だろう。読み終わって、ファラデーをますます偉大に感じた。電磁誘導という大発見があり、科学教育にも力を入れ、環境問題にも関心があった。当時最新の電灯や写真を講演に取り入れたが、これはおそろしく画期的なことで、今生きていたら、ノーベル賞を何度ももらえる人。一度伝記を読みたいと思った。2017/01/08
やいっち
96
科学の新しい知見を得るための本じゃなく、吉野 源三郎の「君たちはどう生きるか」と同様 本書こそは読むべき本。科学する精神を学ぶ本。細心の観察眼と推察と分析そして実験の繰り返し。今度で何度目となるか分からないし、科学者にはなれなかったが、それでも性懲りなくサイエンス本を読んでいくつもり。今更ながらファラデーの偉大さを思う。2024/10/24
あーさん☆GWは墓参りをハシゴしました。暑くてバテました。
87
懐かしい('・ω・') けど、字が小さ過ぎるので角川の重版に期待!('・ω・') 2019/10/17
中玉ケビン砂糖
82
『科学道100』キャンペーンから。理科の授業での実験を思い出すが、長い目で見ればこの頃はまだ「元素」や「化学反応」「電気分解」といったものが次々と発見されて間もない。「火の灯ったロウソクに化学のすべてが、そして宇宙の何たるかが凝集されていると言っても過言ではないのであります」とクリスマス講演で聴衆へ向け、ジェントルに(イギリス的に)語りかけるファラデーは、まさに科学の良心の代名詞だ。「人間は酸素をとりこみ炭素を吐き出している」「水は酸素と水素が結合して出来ており、その体積比は気体になっても変わらない」。2022/06/11
アキ
82
1860年王立研究所でのクリスマス講演にて、その当時の少年少女は魔法のようなワンダーを体験したであろう。神の摂理が次々に明らかになる科学という哲学が、クリスチャンであるファラデーにとってはもちろん真理であり、現在の化学の元を築いた幸福な時代を生きたのだなと感じた。第6講にてロウソクの燃焼がヒトの体内の生命機構と似ていることが示される。それは呼吸による二酸化炭素の発生。食物は燃料で呼吸は燃焼の過程と似ている。当時から環境に関心があったとは。先進的なのか、はたまたロンドンの汚染がそれ程ひどかったのだろうか?2019/12/26