岩波文庫
懺悔道としての哲学―田辺元哲学選〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 514,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003369425
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C0110

出版社内容情報

戦争中に自らの哲学の無力を痛感した田辺は、同一性の立場にとどまる哲学を否定、「哲学ならぬ哲学」を追求する。その思索は、Metanoetik―理性の哲学を超えるもの―としての「懺悔道」の哲学として結実した。

内容説明

田辺宗教哲学の代表作である『懺悔道としての哲学』と、関連論文三篇を収録。戦争中に自らの哲学の無力を痛感した田辺は、同一性の立場にとどまる哲学を否定、「哲学ならぬ哲学」を追求する。その思索は、Metanoetik―理性の哲学を超えるもの―としての「懺悔道」の哲学として結実する。

目次

懺悔道―Metanoetik
懺悔道としての哲学(懺悔道の哲学的意義;懺悔道の論理としての絶対批判;絶対批判と歴史性との聯関;懺悔道と自由論との比較;懺悔道の絶対媒介性;親鸞の三願転入説と懺悔道の絶対還相観;親鸞の『教行信証』三心釈における懺悔道;懺悔道の展望としての宗教的社会観)
『懺悔道としての哲学』梗概
『実存と愛と実践』序

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

記憶喪失した男

9
西洋哲学に詳しい田辺元があえて親鸞を題材に懺悔について語る書。というか、敗戦で無理矢理書かされたんじゃないだろうか。全然、本文で懺悔していない。2017/02/08

キョートマン

8
「懺悔」と聞いて思い浮かべるニュアンスとは使い方がすこし違う。難しかったけど、どうやら端的に言って、とにかく理性を放棄したうえで努力をすることが重要らしい。序盤で述べたことを言い方を変えてくどくど言っている印象がある。2021/08/06

mononofu

4
戦中に哲学がまったく救いにならなかったことに苦悩した著者が、その自己の無力さを徹底した結果みつけた哲学が懺悔道となる。その根底を成すのは自己を完全に放棄することによって、かえって何でもやろうとする、なんでもやらされるという大きな転換になる。理想主義やヘーゲルの哲人は『自力哲学』であり賢者のいく道であるのに対し、懺悔道は『他力哲学』凡夫の行く道であると説く。哲学についての知識が前提とされた上で話が進んでいくので難しいが、大意は何度も繰り返されるのでなんとか読んでいけば大筋は理解できるのではないかと思う。2014/03/11

amanon

3
冒頭の「懺悔道」を読んだときは、「何だか手前勝手なことを言っているな…」と思いながらも、著者が戦時中に嘗めた苦渋を思わずにいられなかった。本書の根幹をなす「懺悔道としての哲学」に関しては、親鸞の『教行信証』や仏教の素養がないと分かりづらいところが多々あり、正直その半分も理解できていないが、懺悔という概念を用いて哲学を再構築しようとする著者の試みには少なからず興味を抱いた。また、西田が禅に深く傾倒していたのに対して、田辺は親鸞の思想に強い影響を受けたという事実に、二人の対称性が表れていて面白いと思った。2013/06/17

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