出版社内容情報
本書はヘーゲル哲学の入門書であり,彼の哲学概論でもある.その内容は法理論,義務論,宗教論から始まり,精神現象論,論理学,概念論,そして,哲学的エンチクロペディーの章で終っている.難解かつ厖大な著作の多いヘーゲルの諸著作の中で最も入りやすい書であり,いやしくも弁証法を論ずる真理探求の徒の必読書.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
12
          
            ニュルンベルクのギムナジウム校長時代の講義ノートなどを編纂した書物。時期的には『精神現象学』と『大論理学』の間にあたる。高校生向きだからと思いきや、簡略ながらあのヘーゲル哲学がそのまま教えられてる。どうもあの哲学は密教的なものではなく近代人にとって不可欠の教養なんである。驚きは単に難解な内容を教えたというだけに留まらない。自由主義やナショナリズムを抑え込む反動期に、精神の絶対的自由とか人格の尊厳を唱えるヘーゲル哲学は危険思想たりうる。そんな時代に高等教育近代化のためにバイエルン政府に招聘されたのである。2022/04/04
          
        またの名
11
          
            哲学入門と銘打ちながらご多分に漏れず哲学一般じゃなくて、ヘーゲル独自の哲学への導入。法哲学、宗教哲学、精神現象学、論理学、エンチクロペディーを網羅し各節が短く簡潔に構成された講義録は、初歩的知識をそれなりに攻略してから全体像を見渡すのに最適。ドゥルーズのマゾヒズム論が標的にしてる自由意志と人格の譲渡不能性に基く法理論や、存在物が持つとされる本質が後から見出されるのにもかかわらず遡及的に存在物に先行することになるというジジェクが好む論理学など、ヘーゲルに関する議論のおおよそのところはこれで予習・復習できる。2015/11/24
          
        有沢翔治@文芸同人誌配布中
3
          
            柄谷行人がヘーゲルとマルクスに注目して論じていたので確認のために読みました。ヘーゲル自身による自著解説で、カントでいうところのプロレゴメナにあたるんじゃないかな。  ただ目的はプロレゴメナがカント自身の哲学的立場を弁明するために書いたのに対し、ヘーゲルは教育目的で描いていますhttps://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51411193.html2013/11/27
          
        Ex libris 毒餃子
3
          
            ヘーゲル哲学の入門の本。ヘーゲル哲学の体系がなんとなく分かった。これもヘーゲルそのものの記述ではないのでそのうち挑戦したい。用語がドイツ語でも書いてある部分もあるのが親切。2015/04/12
          
        NICK
3
          
            ヘーゲル哲学の体系を表している本……らしい。『精神現象学』の難解さに挫けてしまったので入門書ならどうなんだろうと手を出してみたらやっぱり難しかった。「即自/対自」「原因と結果は渾然一体」「主人と奴隷」「絶対精神」など聞いたことあるような、あるいはなんとなくわかったような事柄はある程度見つかったものの、全体のビジョンが掴めなかった。哲学は……強敵である2011/04/11
          
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                  - 和書
 
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