出版社内容情報
古代ギリシアにおいて初めて倫理学を確立した名著.万人が人生の究極の目的として求めるものは「幸福」即ち「よく生きること」であると規定し,このあいまいな概念を精緻な分析で闡明する.これは当時の都市国家市民を対象に述べられたものであるが,ルネサンス以後,西洋の思想,学問,人間形成に重大な影響を及ぼした.
内容説明
アリストテレス(前384‐322)の著作を息子のニコマコスらが編集した本書は、二十三世紀に近い歳月をしのいで遺った古典中の古典である。下巻には、「抑制と無抑制」について述べる第七巻、各種の「愛」を考察する第八・九巻、「快楽」に関する諸説の検討と「幸福」について結論する第十巻を収める。詳細な索引を付す。
目次
悪徳・無抑制・獣的状態。ならびにその反対のもの。抑制と無抑制とに関するもろもろの通説
これらの見解に含まれている困難。以下かかる難点が解きほぐされなくてはならない
抑制力のないひとは知りつつあしきことをなすのだとすれば、この場合の「知りつつ」とはどのようなことを意味するか
無抑制は如何なる領域にわたるか。本来的な意味における無抑制と、類似的な意味における無抑制
獣的なまたは病的な性質の無抑制は、厳密な意味で無抑制とはいえない
憤激についての無抑制は、本来的な意味における無抑制ほど醜悪ではない
「我慢強さ」と「我慢なさ」との、抑制ならびに無抑制に対する関係。無抑制の二種―「せっかち」とだらしなさ
無抑制と悪徳(=放埒)との区別
抑制・無抑制に似て非なるもの。抑制も一つの中庸といえる
怜悧は無抑制と相容れても、知慮は無抑制と相容れない〔ほか〕
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感想・レビュー
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マエダ
syaori
イプシロン
おせきはん
Bashlier