出版社内容情報
葛飾北斎(1760―1849)の富士を描いた浮世絵版画の代表作.カラーで全画を掲載,各画毎に,解説を付した.
富嶽三十六景図版一覧
富嶽三十六景
関連地図
解説(日野原健司)
主要参考文献
日野原 健司[ヒノハラ ケンジ]
編集
内容説明
葛飾北斎(1760‐1849)が富士を描いた浮世絵版画の名作。奇抜な構図、鮮烈な色彩で、日本人を魅了してきた。世界の芸術家達にも大きな影響を与え、日本絵画を代表する作品である。カラーで全画を見開き頁大に掲載、各画毎に、鑑賞の手引きとなる解説を付した。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
128
また岩波文庫が新しい試みをしてくれました。ロバート・キャパの写真集を出したときも感じたのですが、今回も北斎の富士山の絵の版画をきれいな色で再現してくれています。北斎の版画はもともとかなりデフォルメされていてそれが最近のポップな風潮とあいまって海外にも人気が有るのでしょう。実際その場所から富士は見えないはずなのに富士を入れ込んでいたりと楽しめます。解説も分かりやすく書かれています。これも手元において何度も見る本になりそうです。2019/03/27
藤月はな(灯れ松明の火)
97
有名な『富嶽三十六景』がコンパクトな文庫サイズに!しかし、意外と知らなかった事や視点も知れて中々、楽しい。だって、てっきり、題から36枚の版画絵なのかと思いきや、実際は46景なのですから!人の目を画面に一気に引き込む幾何学的な構図、有名な場所でもわざとマイナーな視点で描く天邪鬼性、同じデザインを使いまわしても配置次第で奥行や躍動感を出すのは凄いな~。後摺では色も違ってくるそうでそれも残っていたら見て比べたら面白そう。個人的に「甲州伊沢暁」から「東海道金谷ノ不二」までの版画が好き。2019/06/02
アキ
90
北斎のプルシアン・ブルーが印象的な36+10景。表紙の「神奈川沖浪裏」のように大胆なデフォルメと視覚効果を狙った構図が目に鮮やか。「赤富士」「黒富士」のように色のバリエーションも楽しい。文庫本で見開き2ページの絵に次の2ページの解説が丁度いい読み易さ。ほとんどがメトロポリタン美術館・大田記念美術館・すみだ北斎美術館・島根県立美術館所蔵。北斎は68歳の頃に中風を患い、70代前半に完成させた富獄三十六景。90歳に「富士越竜図」を描いて亡くなるまで富士に憑かれた、その魅力が「不二」という文字に表れているのかな。2020/04/24
吉田あや
74
何となく目にしていた程度で今回初めて北斎をじっくりと鑑賞し、一気に惹き込まれた。縮尺の妙や、好きなパーツを好きに配置して組み合わせるコラージュ的な北斎の自由な作画姿勢も楽しく、幾何学的な構図は現代のデザインにも通じるかわいさの原点を見るようで、恐れない大胆で意欲的な独自の芸術性に圧倒され魅了される。「青山円座松」のポップにモチーフ化された松の描かれ方など、前衛的な手法を当時の人達はどう見ていたのか、鑑賞者の捉え方も知りたくなった。(続↓)2019/04/17
やいっち
56
久々北斎「富嶽三十六景」全般を鑑賞。知名度の高くない作品にも素晴らしいものがあるね。惜しむらくは、文庫本ということで、どの絵も見開きになってる。それは仕方ないとして、どうしても作品のど真ん中に折り目が来ること。折角の絵が鑑賞しづらいよね。 2025/05/08
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