出版社内容情報
中世の巡礼者たちの歩んだ道をたどり数々の聖堂・聖跡を案内しながら,建築・彫刻・絵画と様々な造型的表現をもつキリスト教美術とは何かということを,フランスの美術史家マール(一八六二―一九五四)が平明に解いた名著.ヨーロッパ文化および美術の研究に必須の書である.詳細な訳注と多数の図版を加えた.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
11
エミール・マールはすごい大著を書いている人だと思うが、これは誰でもマールに簡単に触れることができる概括的な本。そのためか、一つのことについては深く触れず、ポンポンと次に進む。ので、あんまり面白く読めない。2016/07/15
きくらげ
5
上下巻でぼちぼちの分量だが、実は著者本人が1898-1932の間に書いた四部作を再構成したもの。上巻は12・13世紀の中世美術をまとめる。20世紀の美術史学の大家だが、現在の研究状況を知らないのでどこまで鵜呑みにしてよいものか、と身構えるが読んでみればやはり楽しい。12世紀が主題を用意し、13世紀がそれを発展させる。ティンパヌムの彫刻の「栄光のキリスト」像に影響を与えた「黙示録」はベアトゥスの写本である。サン・ドゥニのスゲリウスが「イェッセの樹」のステンドグラス図像を考案し、シャルトル大聖堂にも影響する。2024/10/05
Francis
3
上巻はいわゆるロマネスク美術、ゴシック美術を大聖堂での装飾を中心に取り上げる。装飾がどのような意味を持つのかも記されており、面白い。しかし、訳文がかなりトンデモ。フランスの聖ルイ王を聖ルドヴィクス、アシジの聖フランシスコをアシジの聖フランキスクスと訳すとは・・・。しかもフランシスコ会はフランシスコ会と書いてる。良い本だけに残念。2013/10/25
ヒラタ
2
既に読んだロマネスク関連の本に多々引用されている高名な著者の本。難しいかなと思いきや 意外にも読みやすい。現代になってわかったことを 注釈で訂正してあるのもありがたかった。2018/01/23
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- 和書
- 古墳 角川ソフィア文庫