出版社内容情報
ルネサンスの偉大な芸術家,科学者であったレオナルドの手記.上巻には『人生論』『文学論』『絵画論』を,下巻には『科学論』を収める.そこには人生に対する箴言あり,寓話笑話文学に対する批評あり,「モナ・リザ」の絵を生みだした陰影と遠近法の研究や『解剖学』などの科学記録もある.彼の偉大さはすべて本書の中に圧縮される.
内容説明
(下)には『科学論』『技術論』のほか、手紙、メモを収録。レオナルドのノートには、人生に対する箴言あり、寓話・笑話・文学に対する批評あり、「モナ・リザ」を生み出した陰影と遠近法の研究や『解剖学』などの記録も含まれる。天才の偉大さ、創造の秘密はすべてこの2冊の中に圧縮されている。
目次
科学論(経験;自然;理論と実践 ほか)
技術(都市計画等;水利計画;軍事技術)
手紙とメモ(手紙;メモ;旅行メモ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takanori Murai
31
ダ・ヴィンチの科学への造詣の深さはよく知られているが、この手記でも多くを割いて書かれている。鳥の飛翔については、特に詳しく書かれており、飛びたかった、飛ばしたかったことが想像される。芸術家としての名声以上の、技術者、科学者になっていても不思議ではない。2020/06/18
月世界旅行したい
13
これだけ文章があるにもかかわらず、ダ・ヴィンチの場合は一枚の絵の方が多くものを語っていました。2015/01/19
月世界旅行したい
11
メモ書きでない、散文(?)みたいなものはおそらく文章術の練習のためのものではないかと思う。2016/11/06
亮さん
10
努力があれば大抵のことを成し遂げられる。学がないとバカにされたが独学で誰よりも頭が良かったレオナルド。自然に生きること、観察することの大切さ、驕り高ぶりをなくし、研究すること非常にレオナルドという努力に勝る天才はなしの体現者のような男の人生がにじみ出ている。彼は天才でない。途方も無い努力家だ。2017/10/16
roughfractus02
8
上巻は人生、文学(寓話)、絵画に関する手稿断片を集めたが、本巻は軍事技術、科学、解剖学に関する科学の断片を収録する。これら断片からわかるのは、ダ・ヴィンチが宇宙と人体の照応(マクロコスモスとミクロコスモスの類似性)というルネサンス的宇宙観を基点として世界を観察したこと、さらに観察の経験を優先してその道具として科学的知識を吸収し用いることである。目に見える水の流れを空気の見えない流れに適用しながら鳥の飛翔を観察する際、類似性の原理が破綻する水と空気の圧力の違いの場面で科学的に検討するという手順にも見られる。2024/10/11