内容説明
江戸城内から江戸の町や下層社会まで記録された歴史実録書。文献史料や故老からの聞書きなどをもとに、『朝野新聞』に明治25‐26年にかけて連載されたものである。上巻には、町奉行、刑罰、牢屋、人足寄場、非人、町会所、火事、辻番、株式、市場などの項目を収録。江戸の町の実態がよく分かる貴重な一冊。
目次
司法と市政(司法の事;評定所;箱訴;刑罰の事;江戸町奉行所;囚獄の事;人足寄場創立の由来;穢多の一大族制;非人の族制;乞丐の群;仁太夫の企業;町会所;市制;町年寄の由来・町地割役の由緒(続編)
江戸の火事
辻番)
経済と市場(株式;株式の売買;両替商;札差;金銭貸借の事・続編;質商;髪結床;魚市場;青物市場)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
24
朝野新聞に明治25〜26年に連載された記事なので、ちょうど昭和の終わり頃に戦中戦前を描いたような感じかな?まだちゃんと肌でその時代を知ってる方がご存命という感じで。上巻はお白州とか司法制度と穢多非人のこと、株やら両替商やらの経済系の紹介。時代ものを読んだりする人はたまにパラパラとめくるだけでも楽しいと思います。つか、読み物としても明治っぽい文体がたまりませぬ。2019/02/02
feodor
10
江戸時代の制度についての新聞連載。「朝野新聞」に載っていたらしい。司法制度、町奉行所について、牢獄について、人足寄場について、被差別階層について、町政について、という感じの上巻である。刑罰などについても細かく載せられており、明治25年あたりということで時代の雰囲気もまだ残っている。とりわけ、牢獄については迫るものがあった。牢名主というのはよく聞くが、それ以外にも随分と牢内にも役割があり、そして一方で官憲の手先である岡っ引き入牢した場合にはいびり殺されるというのもあった。魚市場の話もおもしろかった。2014/05/24
シンドバッド
6
明治25年から朝野新聞に連載された物を集成してある。徳川時代の正に、制度から風俗にいたるまで記録されている。 校注者のおかげで読み易く、興味津々、飽きない。2014/10/03
大臣ぐサン
4
明治24~25に『朝野新聞』で連載された徳川制度を書籍化。知っているようで意外と知らない江戸時代のことをあらゆる観点から捉えた名著。司法と市政(司法の事/ 評定所/ 箱訴/ 刑罰の事/ 江戸町奉行所/ 囚獄の事/ 人足寄場創立の由来/ 穢多の一大族制/ 非人の族制/ 乞丐の群/ 仁太夫の企業/ 町会所/ 市制/ 町年寄の由来・町地割役の由緒(続編)/ 江戸の火事/ 辻番)/ 経済と市場(株式/ 株式の売買/ 両替商/ 札差/ 金銭貸借の事・続編/ 質商/ 髪結床/ 魚市場/ 青物市場)2017/02/05
Kuliyama
1
興味深く拝読しました。各当事者が語ったであろう貴重な資料です。江戸時代に興味のある方にお薦め致します。2015/11/26