内容説明
日本の近代は嘉永六年のペリー来航に始まるという見方を初めて示した本書は、幕末史の嚆矢として諸書に引用され、またE・サトウの英訳もある。著者馬場文英が実際に目撃した元治元年七月の禁門の変を描く巻之五をはじめ、豊富な史料と自身の見聞とによる圧巻の同時代史。
目次
発端
ペルリ来航
米国の要求
江戸の騒動
黒船再来航
各国との和親条約
災害の続出
安政改元、日の丸制定
安政大地震
遷宮〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
5
脚注がある。本文は読みにくい。TPP時代に[米国の要求](14頁~)を通り過ぎるわけにはいかない。「豈貴国たりとも交際の道開けざらんや」云々。TPPで関税撤廃だからな。交際というよりも、剥き出しの国益衝突、不平等を呑まされかねない。[池田屋事件](194頁)。京都の。三条通橋西の池田屋惣兵衛という旅籠屋。[民衆の苦難](300頁~)。狼狽と書いて「うろたえ」と読ませる。火事は恐ろしいが、妻子が焼け死ぬのを見ると、檀那も火中へ飛び込むとは・・・。2013/04/14
チュルちゃん
0
幕府の信用が堕ちる経緯や民情についても触れられており、幕末の雰囲気を感じられる内容で面白かった。 本書で、毛利氏や島津氏等の大名を時々松平と呼んでいた。「誰も調べなかった日本文化史」に江戸時代はほとんどの大名が松平を(好むと好まざるとに関わらず)名乗っていたという事が書かれていたが、その事実を目の当たりにした気分だった。 国旗の始まりと思われる記載があったりと知らなかった当時の事を詳しく知ることができた。2020/01/05