出版社内容情報
大乗仏教の真髄『華厳経』の「入法界品」は、悟りを求める若者・善財童子が文殊菩薩に教えられ51人の神々
内容説明
大乗仏教の真髄『華厳経』の「入法界品」は、悟りを求める若者・善財童子が文殊菩薩に教えられ五十一人の良き師を訪ね、弥勒菩薩により重々無礙の真理を体験、普賢菩薩行の世界に悟入する遍歴物語。梵語原典の初めての現代日本語の完訳。序章から第十七章を収録。
目次
メーガシュリー比丘
サーガラメーガ比丘
スプラティシュティタ比丘
ドラヴィダ人メーガ
ムクタカ長者
サーラドヴァジャ比丘
アーシャー優婆夷
ビーシュモーッタラ・ニルゴーシャ仙
ジャヨーシュマーヤタナ婆羅門
マイトラーヤニー童女
スダルシャナ比丘
インドリエーシュヴァラ童子
プラブーター優婆夷
ヴィドヴァーン家長
有徳の長者ラトナチューダ
香料商サマンタネートラ
アナラ王
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
38
華厳経の最終章である「入法界品」をサンスクリット語から翻訳した本。善財童子が菩薩になることを目指して53人の人たちに次々と教えを請う物語である。冒頭から釈尊の元に集まった菩薩たちの名前が映画のエンドロールのように続いて圧倒される。その後も宝石がきらめき、神変や不思議な現象が繰り広げられて読者を圧倒していく。53人の構成は男性出家者もいるが、長者・童子・童女・女性在家信者・バラモン・仙人・香料商などさまざまで男性出家者が比較的低評価なのもおもしろい。インド人の緻密さと繰り返しの表現で読み通すのは大変だった。2021/09/17
加納恭史
19
さて、東野圭吾も少し飽きて、人間は贅沢だなと思う。善財童子のユーチューブの漫画は菩薩に学びたい童子の物語は多様で優しいな。龍樹の「空」の理論や天親の「唯識論」を読んだが、その原典はどうも華厳経だな、しかし多量にあり、そう簡単には調べられないな。その入口の書物として、この本「華厳経入法界品(上)」の善財童子の旅が良いのかな。般若心経の観世音菩薩、法華経の弥勒菩薩も出て来るな。文珠菩薩や普賢菩薩はあんまり良く知らなかった。仏典で多様な物語の展開はインド神話の「マハーバーラタ」を包含するようで、神秘的だな。2024/01/02