内容説明
ダイソンが科学の潮流の本質をわしずかみにし、未来像を描き出す。原書刊行後、彼の予言はすでに一部が現実のものとなり、より説得力を増している。
目次
第1章 物語
第2章 科学
第3章 技術
第4章 進化
第5章 倫理
著者等紹介
ダイソン,フリーマン[ダイソン,フリーマン][Dyson,Freeman]
1923年、イギリス生まれ。理論物理学者。現在、プリンストン高等研究所名誉教授。素粒子論、宇宙物理学で大きな業績をあげたほか科学技術政策に深くかかわり、核兵器、ミサイル産業、宇宙開発の実地にも通じている。宇宙の究極的運命に関する物理的考察の先鞭をつけたことで広く知られ、科学文明の未来と可能性に関する鋭い洞察と、大胆だが現実主義者の面目躍如たる提言は大きな反響をよんでいる
はやしはじめ[ハヤシハジメ]
立教大学卒業。現在、昭和薬科大学名誉教授
はやしまさる[ハヤシマサル]
東京大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
6
千年単位で科学と人間の関係に想像を膨らませる本書は、21世紀をAIと遺伝子工学や神経工学と融合する時代と予見しつつ、その障害の可能性も含めた未来像を提示する。一方、米国で核軍縮に携わった著者は科学を道具として扱えば対立と破壊をもたらす性質を知り尽くす。その科学的倫理は、神経工学による人間同士の無線テレパシー通信の可能性や遺伝子操作による巨大植物の育つ宇宙コロニーへの植民という想像された世界(原題はImagined Worlds)にも、土地争いに始まる戦争を人類の宇宙の分散で減少させようとする方向に窺える。2022/03/05
ダージリン
1
科学者が書いた本は割と読むのだが、フリーマン・ダイソンは、圧倒的な知性と品性とを兼ね備えたスマートな教養人という印象をとりわけ強く受ける。卓越した科学者の視点のみならず、ヒューマニスティックなスタンスで未来を語っていく。発想のスケールが大きく、読んでいて大いに刺激を受ける。「科学の未来」というタイトルになっているが、元々の「Imagined Worlds」というタイトルの方がしっくり来るように思う。2017/08/06
ヒロくん(脱脂)
0
すごく視野の広い人ですね筆者は。 一番感心した話は科学技術の力がイデオロギーと結びつくと負の結果をもたらすということ。 一番ワクワクさせられたのは筆者による未来のヴィジョン。 2012/12/31
muku
0
★★★2008/10/27