出版社内容情報
司馬遷の著した中国最初の正史『史記』は,古代中国の社会と人間を生きいきと描きだし,日本でも広く親しまれてきた.中国史研究に多大な業績をのこした著者が60年にわたる『史記』研究にもとづき,『史記』の成り立ちと構造の全容の解明を試みた名著.『史記』の世界への格好の入門書.「『史記』の中の女性」を併収.(解説=吉川忠夫)
内容説明
司馬遷の著した中国最初の正史『史記』は、古代中国の社会と人間を生き生きと描きだし、日本でも広く親しまれてきた。中国史研究に多大な業績をのこした著者が、六十年にわたる『史記』研究にもとづき、『史記』の成り立ちと構造の全容の解明を試みた名著。『史記』の世界へと格好の入門書。「『史記』の中の女性」を併収。
目次
1 『史記』読法―『史記』はどう読まれてきたか
2 正史の祖―紀伝体の創始
3 本紀―中国の弁証法
4 世家―政権割拠の力学
5 年表―どこまで歴史は遡れるか
6 列伝―古代市民社会の人々
著者『史記』関係論文一覧
『史記』略年表
『史記』の中の女性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomoichi
22
予想を上回る勢いで史記・司馬遷をディスる著者(笑)ほんまかいなと疑ってかかって史記を読み研究をする著者って好きです。2022/08/01
双海(ふたみ)
16
司馬遷の著した中国最初の正史『史記』は、古代中国の社会と人間を生き生きと描きだし、日本でも広く親しまれてきた。中国史研究に多大な業績をのこした著者が、六十年にわたる『史記』研究にもとづき、『史記』の成り立ちと構造の全容の解明を試みた名著。『史記』の世界へと格好の入門書。「『史記』の中の女性」を併収。 (カバーより)2014/06/03
明智紫苑
15
《もし司馬遷がその気になれば(中略)夏姫列伝を書きあげ、妖しい女性の一生にまつわる情痴の史劇を展開させることが出来たはずである》…筋を通す人だった司馬遷がそったらもん書くわけねえべや! とりあえず、悪女が「悪女」たり得る必要最低限の条件「自分の意志」が感じられない夏姫など、宮城谷昌光氏が製作した「偶像」の材料に過ぎないね。女性の存在感が強いのは正史三国志の方だと思うが、史記で取り上げられている女性はいわゆる「名誉男性」だと思う(一例、呂后)。「history=his story」というダジャレを思いだす。2025/02/01
おはぎ
10
史記について原著をベースに「春秋」などのベースとなった書や司馬遷のひととなりも交えながら解説する本。歴史事実の検証という観点から史記、司馬遷礼賛ではない論評もある。ツッコミをしつつも自由人に憧れ自らも自由人であることを貫いた司馬遷に対する著者の愛を感じる。2024/11/04
kanaoka 57
10
都市国家、自由、封建制度、中央集権、資本主義などのワードは、素人には分かりやすく、古代中国の世界を具体的なイメージで浮かび上がらせてくれる。また、列伝に記述される、游侠などの人物像を通じて、社会の変化を理解させてくれる。2024/09/24
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