岩波文庫
兆民先生/兆民先生行状記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 108p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003312544
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0123

出版社内容情報

「兆民先生」は,兆民の愛弟子であった秋水が書いた伝記.「兆民先生行状記」は弟子が見た師の姿をスケッチ風にまとめたもの.秋水は明治21年,18歳の折はじめて兆民の家に寄寓し,以後その死にいたるまで十数年にわたって師事しつくした.革命家兆民の風貌が,熱をおびた秋水の文章によってよく伝えられている.解説=糸屋寿雄

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

matfalcon

38
服部図書館で借りて、十三駅のトイレの個室に置き忘れた本。同時代に板垣退助(兆民の弔文を読む)がいて、「示準化石」になる。「民権は至理なり」がモットーで、大日本帝国憲法の空疎さを看破していた。天皇主権なら、自主憲法なのか、と改憲論者の足場が瓦解する一冊。2018/05/29

みのくま

7
弟子幸徳秋水から見た師中江兆民。秋水は兆民を理想に生きた人と言っている。自分の理想と異なれば官吏も教育者も代議士もすぐに辞し、事業は真面目一辺倒で失敗ばかりの兆民の姿は、理想を追うも現実とはかけ離れているように見えただろう。だが、兆民自身は結構リアリストのつもりで活動していたのではないかと思う。実業家に転身したのだって文筆では届かない力を手に入れようとしたからだし、断酒したのも藩閥打倒の成就の為の延命措置だ。そもそも秋水を「文学的すぎる」とたしなめたりしているので、根本的に兆民理解が歪んでいる可能性がある2019/05/18

おせきはん

7
幸徳秋水が、自らの師である中江兆民の生涯を綴っています。フランス留学経験と漢学に裏打ちされた思想家としての活動だけでなく、娼楼の開設も計画していた実業家としての中江兆民の一面についても書かれていました。2017/07/02

denz

2
実像はどうあれ、「革命の鼓吹者」としての兆民のイメージを決定づけた著作。翻訳の材料として仏典を研究したり、漢学を学びなおしたりと、伝統思想を踏まえた西洋思想の受容を兆民が行おうとしていたことが語られる。また、勝海舟、西郷隆盛、島津久光とのクーデター計画や、有名な坂本龍馬「梅毒」説の出典でもあり、何度読んでも興味深い作品。2011/10/28

Masatoshi Oyu

1
擬古文になれるべく読んでみました。前篇ほぼルビが振ってあり読みやすい。ただ、この読みやすさは秋水の筆力もあると思う。本書によれば、兆民は日本語の基礎は漢字であるから、日本語の文章を上達するためには漢文の勉強が必要と述べ、留学から帰国後も漢学の支障に弟子入りして研鑽を怠らなかったとか。本書では、プライベートも含め兆民の様々な一面が語られており、面白いエピソードが沢山書いてあった。2017/11/02

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