出版社内容情報
死後,魂はどこへ行くのか.本書は,宇宙の開闢から天・地・泉の生成と形象,その過程を貫く神々の功業を明らかにし,それにより死後の霊魂の行方を知って「心の安定(しずまり)」を得られると説き,国学的宇宙論の新たな展開を示す.
内容説明
古学の徒は大倭心を堅固にもつことが肝要であり、そのためには「霊の行方の安定」を知る必要がある。そこで、宇宙の開闢から天・地・泉の生成とその形象を、十箇の図と古伝により説明し、その過程を貫いている神々の功業を明らかにして、霊魂の行方を論じた書。篤胤の幽冥観を確立し、国学的宇宙論に新たな展開をもたらした重要著作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
57
平田国学の主著。記紀に沿って日本を諸外国に先立つ優れた国という記述が目立つのには、夜郎自大とか戦前の超国家主義と相性が良さそうという感想を抱く。構成は前半と後半に大別でき、前半は記紀のまとめという印象だが後半で著者の独自性が出てくると俄然面白くなる。造化三神の重視や黄泉の主が大国主という部分は教派神道に、幽冥界の概念等には柳田国男に影響を与えた事を考えるとやはり日本の思想を考える上で外せない書物であるなあ。意外なのは中国はわかるが聖書の神話にも言及している所。限られた情報で神道を再構成したのは流石である。2024/09/26
双海(ふたみ)
19
「古学の徒は大倭心を堅固にもつことが肝要であり、そのためには「霊の行方の安定」を知る必要がある。そこで、宇宙の開闢から天・地・泉の生成とその形象を、十箇の図と古伝により説明し、その過程を貫いている神々の功業を明らかにして、霊魂の行方を論じた書。篤胤の幽冥観を確立し、国学的宇宙論に新たな展開をもたらした重要著作。」(本書紹介文より)2015/02/19
KUMAGAI NAOCO
1
国学の四大人(しうし)の1人、平田篤胤の代表作。古事記、日本書紀、万葉集から師の本居宣長の古事記伝まで、あらゆる書物を読みまくって日本の成り立ちを明らかにすることで日本人の「霊(たま=心)の行方(ゆくえ)の安定(しずまり)」を解いた本。現代人でも読みやすい仮名遣いやルビが振られてるとは云え、まるで古文の教科書読んでるみたいだった。旧約聖書や仏教、中華思想は神道の訛(よこなまり)だととんでもない事も言っているが、これが明治以降の復古神道&大日本帝国主義の礎になったのかと思うと恐ろしい。まあ面白かったけど。2022/04/12
shunkichi
1
もう一度古事記とかあわせて読みたいと思った。神代のなかでいかに世界がつくられていったかが、ビジュアルで詳しくわかるのがすごい。神道入門にもよいのでは。聖書とか、地動説とか、けっこういろんな話が入っている。2013/06/08
ymazda1
0
日本神話の時代なんて、学会とか学説とかがどんだけ意味を持ってるんかよくわからんなと感じるだけに、その昔、ここまで勝手気ままに考えた人がいたってのは、読んでて、ちょっと楽しかった。
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