出版社内容情報
江戸初期の和算書で,書名は仏教語の「塵点劫」に由来し,「永遠の書」といった意.題名の通り初版以後大いに流行,明治の中頃までに数百の異版を生む.日常生活上・職業上必要な様々の実用問題・数学遊びを図と共に豊富に載せた便利な実用書であり,しかも全体がしっかりした数学的体系をなしている.底本には寛永二十年版を採用.
内容説明
江戸初期の和算家吉田光由(1598‐1672)の主著。書名は仏教語の「塵点劫」に由来する。大数・小数の名、九九の掛算から、米や材木の売り買い、金銀の両替、検地、河や堀の普請といったさまざまな実用問題と、継子立て、ねずみ算などの数学遊びを図とともに豊富に載せており、全体がしっかりとした数学的体系をなしている。
目次
新板塵劫記序
新編塵劫記一
新編塵劫記二
新編塵劫記三
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
10
19頁は昔のPCのキーボードのような形をした田数の名はユニーク(19頁)。九九は中国にはじまり、日本に伝わったという(23頁註一)。27~36頁には算盤の絵。算盤塾にはこの本が置いてありそうな感じもするが、幼い頃算盤をやっていたらよかったのかもしれない。そうだったら理系を選んだと思えるので。樽とか枡とか描いているページもあり、江戸時代の雰囲気も伝えている。167頁のは勾配、つまり、三角関数のような絵が書いてある。目付字の絵は初めて見た(184頁)。数の不思議というか、漢字を使って数学をしていた時代の記録。2013/05/07
MAT-TUN
6
す、すごい。江戸時代にこのような数学書があったとは。江戸時代の数学ブームがよくわかる。江戸時代の絵も沢山あって楽しい。1643年の作。2012/03/17
kyawo
2
内容はとても楽しいです。書きぶりは難しいですけど数学の楽しさを味わえました。2016/06/23