出版社内容情報
アンデルセン（一八〇五―七五）の童話は，決して口あたりよい砂糖菓子のようなものではない．「私が書いたものはほとんどが私自身の映像である」と『自伝』のなかで述べられているように，どんな空想的な話のなかにも，作者の生きた波瀾の人生の一片が封じこめられていて，おとなであれ子どもであれ，読む者の心を強くゆさぶる．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風太郎
9
全巻読み終わりました。童話集とは言うものの、内容が濃いものが多かったのと、分量もかなりのものだったので、読むのには結構苦戦して、達成感とともに幾分の疲れも感じます。アンデルセンは色々な話を知っていて、きっとそれが面白かったのだと思います。だから、それらをもとに新しく話を作って、他の人に話そのものとその面白さを伝え、アンデルセンの話を読んだ人が、その面白さを伝え、ずっと語り継がれていくのだな思いました。他の本でもそんな話はきっとあるだろうから、ずっと物語を探していきたいですね。2018/04/17
paumi
4
アンデルセン童話はまるで優しいおばあちゃんが語りかけてくるような安心感がある。そして彼の繊細な自然風景が淡く浮かぶ。私もクリスチャンであるので、彼の作品ににじみ出る優しい信仰の光が心地よく感じる。これで全巻読破したので、今度は自伝を読んでみたい。2017/06/25
茅野
1
いよいよ最終巻、アンデルセンマラソン終了。最初は長いと思っていたが、終わってしまうと寂しいものだ。 最後に著者本人による解説があるのが有難い。どの話が何年に出て、元ネタは伝承なのか、オリジナルなのか等をしっかり書いてくれている。 全体を通して、物悲しくも、愛国的で、キリスト教的な話が多いアンデルセン童話。大人でも十分に楽しめると思う。2023/11/22
genyaman
1
5ヶ月くらいかけて全話読み終えました。読みやすいのですが、それぞれの話の主題やトーン、世界観などが違うので、何話も続けて読むのは難しかったです。よく知られている童話をはじめ、自然の描写や宗教的な話、道徳的な話など、ともかくそのバラエティの多さには感心させられました。苦労の果てに報われない話や、いきなりハッピーエンド(？)になってしまう話、現代の感覚には合わない話などもありましたが、特に有名な『人魚姫』や『雪の女王』などはとても面白く、またディズニー版との共通点や相違点を見つけながら読むのも面白かったです。2021/11/30
あいちょ。
1
『人生で影響を受けた本100冊』登録。2020/03/19
