岩波文庫
平凡物語〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 348p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003260654
  • NDC分類 983
  • Cコード C0197

出版社内容情報

『平凡物語』はゴンチャロフ(1812-91)の出世作。ロマンチシズムをいだく感激屋で未経験な甥。対するは、人生経験豊富で海千山千の叔父。両極端な2人のやり取りが、ユーモアをまじえながら対比的に描かれる。

内容説明

ロマンチシズムをいだく感激屋で未経験な青年アレクサンドル。対するは、人生経験豊富で海千山千の叔父ピョートル。両極端な二人のやりとりがユーモアをまじえながら対比的に描かれる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちゅんさん

59
田舎の青年が上京して打ちのめされるというややありきたりな内容だが主人公アレクサンドルとピョートル叔父さんのやり取りが面白すぎる。登場人物がやたら喋るからドストエフスキーに少し似てるなと思ったけどやっぱり似てませんね。下巻どうなるんだろ。アレクサンドルが擦れていくのはあんまり見たくないけど…。2022/01/27

みっぴー

47
今、この時期にぴったりの小説。純粋な心に夢と希望をつめた青年の上京物語。しかし居候先の叔父様ピョートルは、計算高く冷静な現実主義者。二人が対立するのは、火を見るより明らか・・・文筆業で名を成したい夢見る青年とピョートル叔父、はたしてどちらの生き方が正しいのか?下巻2017/02/22

壱萬弐仟縁

7
1847年初出。本当の人生観を身につけるには、老功な手腕と、鋭い頭脳と、せせこましい農村の眼界を越えた大きな経験の蓄積が必要(29ページ)とのこと。3つの要素が人生には不可欠なことを意味しよう。田舎者の話が第2章にある。「田舎じゃ寝るのも起きるのも太陽と一緒で、飲み喰いも自然の命ずるまま」(101頁)。都会人からすれば、24時間眠らない町よりは自然の摂理に沿っているともいえるが。2013/02/01

ラウリスタ~

5
面白い。なにやらパリのカルチェラタンを歩いていそうな芸術家(自称)の主人公が現実家(異常なまでの)の叔父にけちょんけちょんにされる。ロシアの小説ってやっぱりおもしろい。アンチ教養小説、ある意味人間の絆に似てる?芸術を徹底的に否定されていく姿は、いい気味なんだけど切なくなる。この叔父の強烈な個性は・・・フェイギン(オリバーツイストの)に通じる。それと甘ったれた芸術家志望の青年は人間の絆にいた。なんかユーモアといい、イギリス文学の流れを受けてる?2010/10/08

ががが

4
高邁な理想や情熱を抱いて上京してきた青年が、やがて都会の現実に直面して丸みを帯びていく話だが、都会での唯一の頼り先である叔父が酸いも甘いも嚙み分けた冷徹な拝金主義者という感じで、世間知に疎い青年を教え諭すようにやりこめるような対話の構図が痛快でおもしろい。人間年を経るごとに、感情の飼いならし方を覚えていくと同時に青春の瑞々しい気持ちを忘却していく。青年の若気の至りとしか言いようがない振る舞いにはあいたたと思うのだが、叔父の「勘弁してくれ」「よし給え」といったいかにも達観した物言いもじわじわくる。下巻へ。2022/11/12

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