岩波文庫<br> 歌物語 オーカッサンとニコレット

岩波文庫
歌物語 オーカッサンとニコレット

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  • サイズ 文庫判/ページ数 95p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003257210
  • NDC分類 951
  • Cコード C0198

出版社内容情報

明るい南フランスのさる城主の若君が家老の養女に燃ゆる恋をしました.ところが,この乙女というのはもともとイスラム教徒から購い求められた卑しい奴隷の娘でしたので,とうてい若君のこの想いは叶うはずもありません.そこで若い2人は…….優雅な韻文と散文で交互に綴られた,フランス13世紀の美しい歌物語です.

内容説明

韻文と散文が交差する特異な形式をもつ「歌物語」。王子と女奴隷の可憐な恋が素朴な口調で語られる。十三世紀フランスの作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蛇の婿

10
芝居がかった訳で読んでいる間中頭の中に小さな弁士さんが登場していましたが、読了後訳者さんのあとがきで、これはそういう作品なのでわざとそういうものを意識したとの事。wwなるほどwただ、これおそらく日本だと浪曲師とか弁士さん、落語家さんの役目ですけれど、この当時のヨーロッパだと多分吟遊詩人の役目になるわけで、そうするとイメージがちょっと変わらないかい?wwそれとも当時の吟遊詩人も実はそんな感じだったりするのかなwとても楽しく読了。2014/08/28

ラウリスタ~

6
大学で原文を読んでいるんですが、まったくもってふざけた作品です。13世紀の作品ですが、ほんとに笑いが止まらない。まじめな恋物語の振りをしてよくよく読めば突っ込みどころ満載。そして、最後の訳者の後書きが秀逸。前任者のような美文を作れなかったが・・・などといいながら、本文はとんでもない擬古文調。いや、不思議な本。原文の摩訶不思議な魅力を上手く出した訳になっている。2011/06/20

めっちー

1
十三世紀初頭の作と言われる韻文と散文を交互に書いた歌物語で、あっと言う間に終わる。南仏にあるボーケール城の王子オーカッサンはイスラム教徒から買い取った奴隷で、家老の養女であるニコレットに恋をする。父親は反対するが恋の炎は収まらず。業を煮やした父は彼女を地下牢に閉じ込めるが…。旧字旧仮名なので慣れるのに時間がかかるが、台詞は歌舞伎の様なハキハキした時代ががった口調はリズムがいい。二人の恋は波乱万丈だが、賢く行動力のあるニコレットは自分で道を切り開くので逞しい。一方のオーカッサンが身勝手過ぎて首を傾げる所も。2023/10/01

takeakisky

1
品のよい呼び込みのような譯者序がたのしい。本文もたのしい。チャカポコチャカポコとお囃子が聞こえてきそうで格調は高くない。この處 歌ふ。と幾度も指示されると歌わないといけない気になるが、七五調なのでリズムが良すぎてどうも必要以上にうきうきしてしまう。可愛ゆげという日本語は漢字混じりで活字になるとすごい威力だ。かはゆげや可愛気ではこうはいかないと、感心する。なんて油断していると二十八段から奇妙な展開に。たのしみました。2022/09/19

ツイ休み中

1
トリスタンとイゾルテよりはるかに読みにくい。これでもか、という試練を乗り越えて結ばれる、決闘も愛の前には厭わない。この遠さが中世ならではの魅力なのか。

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