岩波文庫<br> 魅せられたる魂〈2〉 (改版)

岩波文庫
魅せられたる魂〈2〉 (改版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 435p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003255421
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

第一次世界大戦前後のヨーロッパ,そこに生き,苦悩し,新しい光を求めてすすんでゆく一人の女性アンネットの愛と自由を描くロマン・ロラン(一八六六―一九四四)の大河小説.異母妹シルヴィ,息子マルクとの関係を軸に,社会・政治・恋愛等の問題が語られ,現代の女性の生き方にも示唆を与える不朽の名作.『ジャン・クリストフ』の姉妹篇.

内容説明

最愛の息子にも母の熱烈な愛は理解されない。第一次世界大戦が始まり、アンネットは男子中学の教師として地方へ。母の愛情と権威への屈服を拒むマルクは、不安、恐怖、汚辱の巷パリに残る。一方、シルヴィは娘を不慮の事故で、夫を戦争で失う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

km

26
「ロマンロランの全ての著作の本質的特徴であり、この天才を、近代の芸術の世界においてもっとも特徴たらしめ、その芸術をして、真に万人の共有の富たらしめるものーーすなわち人間に対する信頼と愛をあたえ、闇を征服して光明を獲得せんとする意力を、苦悩を貫いて歓喜に達せんとする努力を、あらゆる矛盾不調和を克服して大調和を実現せんとする不饒の力をーー生命のもっとも本源的な活力を触発せしめるところにある。読者もまた魅せられたる魂となるのである。」 2017/12/06

アリョーシャ

3
アンネット、シルヴィのいずれも、年を取るとともに描写が少しずつ変化していく。第一部に見られたような、変ないちゃつきのようなものはなく、読みながら閉口することはなくなった。30代のアンネットもシルヴィも、過ぎ去った年月の重みがしっかりと描かれている。心に響く言葉や場面は一巻よりずっと多かった。2017/07/12

しんすけ

2
時代は20世紀初頭。背景に第一次世界大戦が蠢く。それは物語の一つの色彩に過ぎない。登場人物の内面(性格・思考)に踏み込んだ分析が各所に出現する。ストーリの展開よりもそのほうに紙数が費やされているような気がする。これが、五十年前に『ジャン・クリストフ』ほどに惹きつけられなかった原因かもしれない。二十歳前後の血気盛んな状態ではこのような作品を受容するにはかなりの忍耐を要したはずである。だが、七十歳を過ぎた今のぼくには、興味深い作品であることは間違いない。新しい創造が無くなった分だけ受容量が増加したのであろう。2016/08/20

mint

1
高校時代夢中になり、今でも全集の一部を引っ越す度連れ歩いている。女性が自我を持って生きるという事の、時代における(ある意味)異様さを打ち立てる、そのみずみずしい強さに惹かれたのだと思う。フェミニズムの先駆けととらえても良いのかも?最後の息子が戻るシーンは願望的なところもあって、ん?と思うけれど、曇りなき眼の10代に響いた。再読したい。2021/12/27

かりんとー

0
シルヴィのが好きだけどな~。2014/11/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/503025
  • ご注意事項

最近チェックした商品