出版社内容情報
二百年の長い間,世界各国で圧倒的な人気をあつめてきた『巌窟王』の完訳.無実の罪によって投獄された若者ダンテスは,十四年間の忍耐と努力ののち脱出に成功,モンテ・クリスト島の宝を手に入れて報恩と復讐の計画を着々進めてゆく.この波瀾に富んだ物語は世界大衆文学史上に不朽の名をとどめている.一八四一―四五年.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
213
第三巻に入り、ダンテスは 復讐の相手との 再会を果たし、巧妙に近づいていく。 展開が 出来過ぎの感も強いが、 奇妙なワクワク感があって 面白い。 次巻以降の復讐劇が 楽しみ。 2018/05/14
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
185
いよいよ本格的に復讐の種が撒かれだした、と言った感じの緊迫感溢れる第三巻。二巻の舞台、ローマでこいつら一体誰?的存在だったアルベールの布石も回収。やっと宿敵のいるフランスへ上陸です。 視点がダンテスから第三者へと移ってからモンテ・クリスト伯の不気味さも感じられるけど、なんと言っても宿敵の嫌な感じっぷりが凄い!(›´ཫ`‹ )はぁー、ぶじ復讐果たして欲しい!!応援のあまり手に汗握る読書でした。 このまま4巻行きたいけどまだ図書館に届かないので一旦休憩。あ〜待ち遠しい♡やっぱり読書って楽しい!2019/10/12
ykmmr (^_^)
169
ちまちまとした足踏みに阻まれて、ある山賊を救った事で、アルベールという人物を知り、誘拐された彼を連れ戻しに行く。それで、アルベールと言う人物を知ると同時に、自分が愛したメルセデスの息子である事を知る。そんな時を感じる場面であるが、メルセデスは一目で、モンテ・クリスト伯=エドモンと気づく訳で…。「思い出はそのまま」。そして、メルセデス夫(アルベール父)→自分を陥れたフェルナンである訳で。この巻ではゆっくりながらも、地道にターゲットに近づいて行く。2022/06/16
ヴェルナーの日記
167
いよいよモンテ・クリスト伯の復讐劇の幕がひらく―― 。それは「真綿で首を絞める」〝To be hanged on a fair gallows.”(美しい絞首台で縛り首にされる)が如く、じわじわと確実に偶然を装い蓋然としておこなわれる。第3巻を読むとダンテの『神曲・地獄篇』をイメージされる。主人公のダンテが最初にくぐる『地獄の門』を彷彿してしまう。この門には以下のような銘文が刻まれている。2016/06/01
ケイ
154
ダンテスの復讐劇の始まり。マルセイユにいた貧しい若者達は、みな出世して一堂に会す。ダンテスの婚姻が行われるはずだった日から20年以上経ったとはいえ、目まぐるしい政変と戦争に乗じて権力と貴族の称号を手にしたら、ここまで態度にもそれが出るものだろうか?とはいえ、外見と言葉は取り繕えても、身についている卑しさは自ずとあらわれる。お金にいやしく、上昇志向を隠そうとしない。彼らとの会話で、そこを巧みに突いて、相手の面目を失わせるダンテス。面白すぎて先に進むのが勿体無い2017/01/29